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沖縄の廃校で芸術展示、やんばるアートフェスティバル

 沖縄本島北部のやんばる地方をアート作品で彩る芸術祭「やんばるアートフェスティバル」(同実行委員会主催)が開催中だ。2017年から毎年、この時期に開催されているイベントで、今回は大宜味(おおぎみ)村と国頭(くにがみ)村を中心に国内外の新進気鋭のアーティスト41組が出展している。

 今年のメイン会場は廃校となった大宜味村の旧塩屋小学校。体育館や音楽室、実験室、家庭科室など、それぞれの特色や備品を生かしたユニークな展示の仕方になっている。

 そのうち一つの教室は、会場となっている塩屋湾の伝統行事「ウンガミ(海神祭)」にスポットを当てている。昨年はコロナ禍の影響でウンガミが中止になっただけに、地元の人々は感慨深げに鑑賞していた。

 石垣島出身のバンド「BEGIN」のメンバー、島袋優さんも参加。「波とウクレレ」と題する作品は、教室には浜の砂が敷き詰められ、ビジュアルと感触で世界観に引き込まれた。

 総合ディレクターで写真家・映像作家の仲程長治(なかほどちょうじ)さんは、「やんばるという土地に息づく原初のパワーであり、循環をキーワードとする人と自然との営みや、地域との関係性から生まれる『今、ここでしか成し得ないアートを創造する』という姿勢」を大切にしている。

 こうした理念には旧塩屋小学校はふさわしい。中でも、塩屋湾のほとりにある体育館はまるで海に浮かんでいるよう。ここでアートを見ることは贅沢(ぜいたく)そのものだ。都会の喧騒(けんそう)から抜け出し、自然の息遣いを感じながらアートを楽しむことができる。

(文と写真=沖縄・豊田 剛)

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