交差する2つの不思議コミュニティ バーチャルマーケット5
メテコレプカ&キュリオシティ
12月19日から、冬の寒さに震える街並みを他所にして仮想世界では一つの大きなイベントがスタートした。バーチャルコミュニケーションサービス「VRChat」内での展示即売会「バーチャルマーケット5」が開催されている。
2021年1月10日までという長い会期を引っさげて戻ってきたイベントは、まさしくそのターゲット層を「世界」へとシフトさせていた。
この記事では企業展示が行われているワールド(場所)のうち、ファンシー感あふれる「メテコレプカ」とダークファンタジーの片鱗を持つ「キュリオシティ」を紹介する。
小さな世界の大きな冒険 メテコレプカ
降り立った先から目に入る可愛い動物の様な人の様な、ふわふわとした姿のキャラクター達。森林に囲まれたこのワールドが「メテコレプカ」である。
バーチャルマーケット2のモクリバザールをご存知の方は分かりやすいかもしれないが、いわゆる「モクリプロジェクト」に連なる展示会場の一つだ。
小さな可愛らしい種族が大勢暮らすこのワールドは、モクリバザールと比べるとより生活感の強いワールドデザインとなっている。
進行するルート自体は一本道であり、入り口の空いている建物に入ると姿が縮む様な演出と共に建物内の展示物を見て回る事が出来る。
モクリ達の使う商店や言語で書かれた看板と共存するような、ファンタジックなアバターの展示が中心となっている。
ワールドのギミック自体はそこまで派手ではないものの、ワールド最深部に存在する謎の生き物「ノイノイ」は各ワールド毎に違う姿をしている。
気になる人はぜひ可愛い空間に癒やされながら、最深部を巡る旅に出てはいかがだろうか。なお、会場の川では釣りが出来るという噂もまことしやかに囁かれている。
魂を捕らえる好奇心の幻想迷路 キュリオシティ
中世のお城の様な門の先に広がる、どこかコミカルでハロウィンの様な雰囲気すら持つ街並み。橋を渡って視界が歪んだらもう「キュリオシティ」の内部である。
目の前に居るカボチャと蜘蛛が合わさった様な案内人や人の顔の様な窓を持つ家、割れた鏡の先にある無限回廊や鬱蒼とした墓地が広がるまさにホラー感溢れるワールドだ。
墓地には写真撮影スポットも存在し、なんと撮影した自分の姿が墓石に掘られるギミックが存在する。お気に入りのポーズで死後もバッチリ安泰である。
会場の奥にはサーカスが催されているテントが存在し、凶悪な見た目の振り子やジャグリングをする案内人の姿も見て取れる。
サーカスを抜けたら一本の枯れた大きな木のある広場に出るが、よく目を凝らせば「危ないから進むな!」と書かれている一角が見えるだろう。
蜘蛛の糸が張り巡らされたその廊下の先に待つものが何なのか、それは好奇心(キュリオシティ)に駆られた皆様の目でぜひ確かめて頂きたい。
昔からよく囁かれれるだろう。「好奇心は猫を殺す」と。
(撮影・執筆:市村 龍二)
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