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出世祈願の街・浜松市 菅さん、安倍さん似の仏像だ

 菅義偉首相に似ている石像が、静岡県浜松市にあると聞き、訪れてみた。それは浜松市北部の山間の引佐(いなさ)町の方広寺にある。引佐町は、NHK大河ドラマ「おんな城主直虎」の舞台となった井伊谷城などがある井伊家ゆかりの地だ。コロナ禍もあって観光客が少なくなったところ、新たな名物ができたと地元は喜んでいる。

館山

 

 彦根藩の藩祖・井伊直政の実母の出身家のゆかりの寺でもある方広寺は、建徳2(1371)年、後醍醐天皇の子、無文元選禅師によって開創された禅宗の臨済宗方広寺派の大本山。寺の名物は「五百羅漢」だ。江戸時代の頃から約500体の羅漢(小乗仏教で弟子に与えられる仏の最上位)があったが、その後も集まり、現在は1000体になっている。

 自分に似ている羅漢が必ずあるという言い伝えがあり、しらみつぶしに見物する拝観者もいるという。安倍晋三首相が電撃辞任表明し、次の首相として菅義偉氏の名前が浮上した9月上旬、羅漢像を見た拝観者が、「令和おじさんの菅官房長官に似ている羅漢がある」と住職に伝えた。住職は急いで確認すると、急遽(きゅうきょ)、「出世羅漢」とし、この羅漢の前に賽銭箱を置いた。

 さて、出世羅漢を参拝した後、住職から「そういえば、舘山寺に安倍前首相似の仏像があります」と聞いた。方広寺から浜名湖岸の舘山寺に向かうこと車で20分。こちらにそびえ立つのは、昭和10(1935)年に曹洞宗の秋葉山・舘山寺(浜松市西区舘山寺)が建立した全長16㍍の聖観音菩薩像。温泉で有名な舘山寺の高台にあり、優しい表情で遠くを見つめている。こちらは安倍晋三氏にとてもよく似ている。

 徳川家康ゆかりの浜松市は「出世の街」と銘打っている。二つの像はそれにぴたりと符合する。

(文と写真・豊田 剛)

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