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煌めくは箱に閉じられた世界 バーチャルマーケット5

バーチャルショーケース&スカイキューブ・デフォルトキューブ・UdonCube & Sky Showcase

 12月19日から仮想世界では一つの大きなイベントがスタートした。バーチャルコミュニケーションサービス「VRChat」内での展示即売会「バーチャルマーケット5」だ。2021年1月10日までという長い会期を引っさげて戻ってきたイベントは、まさしくそのターゲット層を「世界」へとシフトさせていた。

 この記事では企業展示が行われているワールド(場所)のうち、アバターを展示物の中心としたシンプルな「Virtual Showcase(バーチャルショーケース)」と巨大なブースを呼び出せる「デフォルトキューブ」等を紹介する。

華やかに歩を刻むファッションの先端へ Virtual Showcase

 最初に紹介するのはアバターをショウウィンドウに設置したかの様な、文字通り歩きながら見て回れるワールドの「バーチャルショーケース」だ。この名前でピンと来た方もいるだろうが、ここは以前会場として使われた「アバターショーケース」をほぼそのまま再利用したような構成となっている。

 アバターショーケースの構造はそのままに、前回は空中回廊の様な様相を見せていた窓の外は今回ビル群が乱立する地上へと様変わりしている。もちろん8の字を重ねたかの様な動線も変わらずではあるが、この会場はただ再利用したというには留まらない画期的なギミックがある。

 ちょうど2階の一角に、ワールド中央へ伸びる足場が設置されている。その横のスイッチを押すことで、自分の今着ているアバターがその足場を渡り、ファッションショーのランウェイを歩くかの様な挙動を見せてくれるのである。また会場毎に違うBGMも用意されており、好みのアバターを選ぶのに大いに役立ってくれる要素となっている。自分の気に入ったBGMでモデルを観察出来る機能はこれまで大々的に宣伝されてこなかったが、この機会に一度体験してみてはいかがだろうか。

■全ては箱から生まれて開く スカイキューブ・デフォルトキューブ・UdonCube

 今回参加企業の中にはブースが大掛かりになるものも存在し、そういった物がそれぞれスカイキューブの「Left」と「Right」に格納されている。これは前回バーチャルマーケット4で画期的な要素であった「デフォルトキューブ」をそのまま用いたものとなっており、ユーザーが気になる企業のブースを呼び出して見る事が出来るシステムとなっている。

 デフォルトキューブ自体の説明はバーチャルマーケット4の記事(https://vpoint.jp/photogallery/161678.html)を見ていただく事にして、今回注目される要素は2つある。まずはデフォルトキューブ系ワールドの数である。ユーザーがコンテンツを披露する事が出来るデフォルトキューブ会場は7つと多く、またそこに企業向け会場が2つ入る。

 デフォルトキューブは空中に浮かぶ立方体を手に取る事で選択した面に紐付いたブースが召喚される仕組みであり、1面から呼び出せるブースはだいたい3から4つ。どのワールドも5つの面にブースが紐付いているので、どれだけの数になるのかは想像に難くないだろう。

 そして2つ目は「UdonCube」の存在である。これはVRChat内で実装された「Udon」というプログラム言語を用い、より複雑な仕組みを制作する事が可能となった展示のブースを特集している。例えば、より精密かつ複雑なガンシューティングゲームや、壁にフックを突き刺して移動できるグラップリングガンなど高度なゲーム的要素をふんだんに含んでいる。

 こういったものの展示は今まで取りまとめられる事がなかった事もあって注目を集めているが、このUdonCubeはそれだけではない。何と英語圏のユーザーに向けて、説明も含めて一切が英語で統一されたブースを集めた「UdonCube(English)」が存在する事である。これまでバーチャルマーケット2などでも他言語向けのアプローチはあったが、いずれも十全とは言えずブースも日本語のみである事が多々あった。

 もちろんビジュアル的な面から見れば言語を抜きにして製品を評価する事も出来るが、ブースの展示物に関する案内等も全て英語であるならば英語話者からの好感は得やすくなるだろう。数はそこまで多くはないものの、海外へ踏み出そうという意欲が確かに見られる展示がそこにはあったのである。

(撮影・執筆:市村 龍二)

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