«
»

世相を彩る“クソアニメ”ネット流行語100が発表

 平成最後の年の瀬が迫る2018年12月14日、東京都港区六本木の「ニコファーレ」で「ネット流行語 100 2018」が発表され、ギャグ4コマ漫画である「ポプテピピック」が1位に輝いた。

 会場には選ばれた各流行語の関係者が来賓として招待され、スペシャルプレゼンターを「機動戦士ガンダム」の「アムロ・レイ」役や「名探偵コナン」の「降谷零」役でお馴染みの古谷徹氏が務めるという豪華な幕開けだった。

 今回開催された「ネット流行語 100」とは、インターネット上で展開しているユーザー編集可能なオンライン辞書「ニコニコ大百科」と「ピクシブ百科事典」という2つのサービスで多くアクセスされた単語100個を選出し、双方のサービス内のアクセス回数を合算。年初の1月1日から11月15日の期間に最もアクセス数の多い単語を選定し表彰する。

 主な選出単語は「ONEPIECE」「週刊少年ジャンプ」などのメジャーなものから「水素の音」「止まるんじゃねぇぞ…」といった局地的にヒットしたものまで、サブカルチャージャンルを中心に選出された。

 これは両サービスの方向性としてそうした界隈の単語に関する情報が多く、また多くのユーザーがそういったものを好んでチェックしているというのが理由である。

 他にも特別賞として、それぞれのサービスから選ばれた「niconico賞」と「pixiv賞」が設けられた。

 イベントは終始各単語にまつわるちょっとした裏話やジョークなどをはさみつつ進行し、上位30単語の紹介からは声優としても活躍している俳優の「鮎貝健」氏がアナウンスを担当。読み上げられる単語や選考対象となった単語にまつわる代表者コメントなどが読まれるたび、会場からは大きな拍手が湧いた。

 また今回上位を獲得した単語については受賞者がゲストとして登場。各単語それぞれにまつわるエピソードを思い思いに語っていた。

 今回最初にゲストとして登壇されたのは14位の「ばあちゃる」氏。続いて13位とpixiv賞の「降谷零」と12位の「赤井秀一」では代表として「古谷徹」氏、pixiv賞からは「うんこちゃん(加藤純一)」氏が登壇された。

 10位以上はほぼゲストが登壇する単語が選ばれ、9位は58人という人数の大規模バーチャルYouTuberグループ「にじさんじ」が受賞し代表として「樋口楓」氏が登場、8位は「仮面ライダービルド」が受賞しプロデューサーの大森敬仁氏と仮面ライダービルドが登場。仮面ライダービルドの挨拶はサプライズで、スタイリッシュなスーツ姿に会場では歓声が上がった。

 7位は上記のにじさんじ所属バーチャルライバー「月ノ美兎」氏が単独受賞、6位は名探偵コナンの「安室透」という事で古谷徹氏が改めて登壇。5位はバーチャルYouTuber「電脳少女シロ」氏がゲストで登場し、4位は「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」作中のフレーズ「止まるんじゃねぇぞ…」がランクイン。

 3位はソーシャルゲーム「Fate/Grand Order」が選出され、宣伝担当の金沢利幸氏が登壇、2位には「バーチャルYouTuber」という単語単体での受賞となった。

 栄えある1位はギャグ4コマ漫画である「ポプテピピック」が堂々の受賞となった。2018年1月からはアニメも製作され、今回の受賞はこのアニメ放映に対する反応の高さによるものというのが大筋の見方である。

 代表者コメントでは受賞に対し「申し訳ない」と嘆く声が紛れていたりする本作品は、ネット・一般問わず様々なジャンルのいわゆる「内輪ネタ」をふんだんに盛り込んでいる作品で、1話15分で放送した後に同じ内容の話を声優を変更して15分垂れ流すというTVアニメとして「あらゆる方面に喧嘩を売った」と形容されるテイストの作品となっている。

 その挑戦的な姿勢とアクの強さ故に一部のネット界隈からは「クソアニメ」と呼ばれる事もあるが、製作元はこの揶揄すら褒め言葉として捉えてしまう神経の図太さを見せている。

 もちろん会場には本作の主役である「ポプ子」「ピピ美」の着ぐるみが登場。プレゼンターとして古谷氏がトロフィーを手渡そうとするも、着ぐるみの手が動かないため受け取れないという「お約束」の後にスタッフに連行されて退出と相成った。

* * *

 今年を象徴する流行語は幾つも飛び出しているが、最近ではテレビとネットではその様相が次第に異なって来ている。

 世相を知るために選出されるべき流行語が政治色を帯びて形骸化しつつある今、どのベクトルから流行を捉えて分析していくのが賢いあり方であるのかを考えさせられると共に、これまでサブカルチャーという別世界として捉えられてきた世界がゆるやかに一般大衆化しつつある流れもまた見て取れる。

 このネット流行語 100がその潮流の原点として後々語られるようなものとなることに期待を寄せてしまう、そういったイベントに感じられた。
(動画と写真・文:市村龍二)

0

コメント

コメントの書き込み・表示するにはログインが必要です(承認制)。

コメント

コメントの書き込み・表示するにはログインが必要です(承認制)。