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「アラビアのロレンス」追想

松本 健一

鮮やかなアカバの岩山

麗澤大学教授・評論家 松本 健一

 12月のはじめ、わたしはイスラエルのテルアビブからエイラートへ、そこからヨルダンのアカバをへてペトラ遺跡へ、という旅をしていた。しかし、目的はただ一つ、「アラビアのロレンス」のアカバを見ることだった。

 「アラビアのロレンス」という映画が製作されたのは1962年だが、日本で上映された(字幕版)のはたぶん1964年だった。わたしがそれを見たのは、大学1年生になったばかりのころである。その後、リバイバル上映で1回、テレビ放映で1回、ビデオ版で1回、都合4回ほど見ている。見るたびに、違う場面が印象に残る。

 ただ、何度見ても、砂漠は美しいなあ、という思いは同じである。映画冒頭の、砂漠が刻々と色を変え、形のちがう砂丘があらわれてくるところは、いつでも息をのむ。しかし、そんな乾いた砂漠の風景が延々とつづいたあとで、ロレンスが海を目にして、「アカバだ」と叫ぶのである。


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