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リアリズムより重要なこと、人に希望や楽観は必要

加藤 隆

現実に向き合う自身を問え

名寄市立大学教授 加藤 隆

 ある雑誌に司馬遼太郎の文章を引用して、日本社会の持つ危うさを論じているコラムがあった。中身はこうである。

 「作家の司馬遼太郎は、リアリズム(現実主義)という言葉を好んで使った。“日露戦争を境にして、日本人は19世紀後半に自家製で身につけたリアリズムを失った”(「この国のかたち」) 実際はきわどい勝利だったのに、日本は神秘的な強さを持っていると勘違いし、それが第2次世界大戦の悲劇につながったと司馬は見ている。歴史という大河にまで思いを巡らせなくても、日々の小さな流れに根拠のない楽観論や希望的観測が潜んでいる…」

 こうして、コラムには日本社会の持つ危うさに警鐘を鳴らす文章が続き、このようにして現場や現実と向き合わないリアリズムの欠如が、昨今の自動車メーカーの燃費不正問題にもつながっていると結んでいる。


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