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有力になる「写楽、写楽説」

菊田 均

強力だった別人説30件

文芸評論家 菊田 均

 東洲斎写楽(写楽)の正体については、四半世紀前ぐらいまでは「謎」とされていた。「写楽の正体は不明」が常識だった。私自身も、だれか別の人物が写楽と称して歌舞伎役者の絵を描いていたと思っていた。諸説あって紛々としていたが、その中の誰かが正解だろうぐらいに考えていた。

 ところが1990年代に入って、写楽は写楽であって、別の人物を想定する必要はない、との説が有力になって来た。

 旧来の説をそのまま受け入れればよい、というのが「写楽、写楽説」だ。旧来の説とは、1844年に刊行された『増補浮世絵類考』という浮世絵事典の記述だ。考証家斎藤月岑(げっしん)の著で、写楽が姿を消してから50年後のものだ。


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