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終戦70年を巡る報道に思う

杉山 蕃

頼りない「悲惨」一辺倒

元統幕議長 杉山 蕃

 終戦70年の今年、先の戦争に関する多くの報道がなされている。いずれも戦争の被害が如何に大きなものであったかを生存者の証言を加え、二度と起こしてはいけないと訴える態度であり、誠に結構な事と考えている。しかし、後期高齢者になった筆者は、最近、報道している皆さんにやや頼りなさに似た感じを持つようになってきた。それは、報道する人達が、経済成長・豊穣(ほうじょう)の時代に育って、戦争とはやってはいけない悲惨なものという通常の社会心理を根拠とし、戦争の実体験がないことによるものと考えている。

 筆者は昭和20年4月、「学童疎開」が行われようとする時、神戸から愛知県の中都市の母親の故郷へ疎開した。一家をあげての引っ越しである。小学校2年生の転校は大変で、言葉の違い・いじめなど通り一遍の「子供の苦労」を味わったが、馴染む間もなく6月19日この街はB29の夜間空襲で大被害を受ける。


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