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消える日本人の判官びいき

菊田 均

政治的敗者に共感せず英雄は登場しない民主主義

文芸評論家 菊田 均

 「判官びいき」という言葉がある。「判官」は「はんがん」とも読むが、「ほうがん」が普通だ。中級の官僚だ。

 判官は歴史上数えきれないほどいるが、有名なのは源義経(1159~1189)だろう。江戸時代の南北町奉行遠山景元(金四郎)も判官だったが、日本史全体から見れば、「判官=義経」と言ってもいいほどだ。彼の悲劇的な生涯の印象が国民の間に強く広がっていて、そこから判官びいきという言葉が生まれた。今でもこの言葉は使われているのだから、かれこれ800年の歴史がある。

 直観で言うしかないのだが、判官びいきの感情がここ二、三十年の間に失われつつある。政治的敗者に対する共感が、なくなろうとしている。


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