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復讐と分裂の「イスラム国」

渥美 堅持

イラク旧政権派も共闘

東京国際大学名誉教授 渥美 堅持

 古来より西のナイル・エジプト、東のメソポタミア・イラクは、レバント(地中海東部沿岸の中東地域)を中軸として、釣り合い人形の弥次郎兵衛の如く中東世界のバランスをとってきた。イラクは北にトルコおよびクルドの地、西にシリアなどレバント、東にイラン、湾岸、そして南にアラビア半島と中東のど真ん中に位置しており、モザイク的形態が内在する国である。

 しかし、この優れたバランス機構がイラクの危機で崩壊し中東世界分裂は避けられない、と言われ始めている。エジプトが騒乱の中から立ち上がり、中東に希望が見える中でイラク危機が再び叫ばれることは、この世界の持つ環境の複雑性を示すものである。部族的連帯性(アサビーヤ)と宗教的連帯性(イスラーム)からの離脱を図る国民的連帯性(ワタニーヤ)の三者三様の主張が同時に相対するとき、混乱は拡散し、重層的に交錯し、解決への糸口は見失われる。


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