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新旧両文明がせめぎ合う米国

上野 景文

啓蒙主義派VS伝統主義派 二つの「正義」衝突の宗教戦争

文明論考家、元駐バチカン大使 上野 景文

 昨秋の大統領選挙以降、「米国の分断」をめぐり、世間がかまびすしい。が、憂慮すべきことなのか。文明・宗教という補助線で見れば、米国はずっと前から「二つ」ある。「啓蒙(けいもう)思想(新文明)」の米国と「伝統的キリスト教(旧文明)」の米国だ。この新旧文明の間のせめぎ合い、昨日今日始まったことではない。

 ただ、この「衝突」たるや、なかなかにダイナミックだ。二つの事情が絡む。第一に、この「衝突」は、単に「文明観」の衝突であるだけでなく、「宗教観」の衝突でもある。大事なことは、「啓蒙思想」は、神に代えて人権、自由などを崇(あが)める「宗教」(いうなら「啓蒙思想教」)だという点だ。衝突の最前線で、新文明派は(例えば)LGBT(性的少数者)擁護こそが正義だとするのに対し、旧文明派は、それは神意にもとるとはねつける。二つの「正義」の激突は「宗教戦争」そのものだ。


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