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医師・中村哲の生き様を支えた思想

加藤 隆

内村鑑三の“教え”を実践 「勇ましい高尚な生涯」を歩む

名寄市立大学教授 加藤 隆

 中村哲という人物がいる。医師としてパキスタンでハンセン病治療に取り組み、その後は長年にわたってアフガニスタンで貧困に苦しむ人々の診療に当たってきた人である。当時、アフガニスタンは同時多発テロ事件に関係する組織の本拠地とみなされ、激しい空爆と地上攻撃、加えて、間断ない旱魃(かんばつ)によって豊かだった農地は年々砂漠化が続く。そのような日々の中での医療活動の困難さは我々の想像を超える。栄養失調と脱水で親に抱えられて中村のもとに運び込まれた子どもの多くは、その時点ですでに亡くなっていたと中村は回顧している。その中村哲がアフガニスタンで銃弾に倒れてから今月でちょうど1年になる。

人生の覚悟を決めた本

 ところで、中村の生き様を支えていた精神的拠(よ)りどころは何だったのだろうか。エピソードと著書からヒントを探ってみたい。


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