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オーウェルの予言した国家

小林 道憲

共産革命から全体主義へ 失われる言論・思想・良心の自由

哲学者 小林 道憲

 ジョージ・オーウェルが1945年に出版した小説、『動物農場』は、共産主義革命の過程とその結果を巧みに寓話(ぐうわ)化したものであった。そこでは、「動物たちは人間によって搾取されている。今こそ叛乱(はんらん)を起こして人間を追放すべきだ」という老牡(おす)豚の予言を信じ、動物農場の動物たちは、知力に優れた豚たちの指導のもとに叛乱を起こし、革命に成功する。

 ところが、この農場では、次第に豚たちの力が強くなっていき、いつしか農場の運営は豚たちによって取り行われるようになっていく。そして、その豚たちの間の権力闘争に勝ったナポレオンという豚は、やがてリーダーと呼ばれて崇拝され、ナポレオンによる完全な独裁体制ができあがる。オーウェルは、このように、共産革命が次第に全体主義になっていく過程を象徴的に語っていたのである。

独裁制と特権階級形成


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