«
»

「死」の意味を考える

小林 道憲

生と死は表と裏の関係 終わりではなく一つの過程

哲学者 小林 道憲

 18世紀末のパリの墓地整理のため姿を消したサン・イノサン墓地は、教会広場と納骨堂からなる墓地で、パリの住人たちが幾世紀にもわたって埋葬された聖地であった。誰もがここで永遠の眠りに就きたいと願っていたから、遺体を新しく埋葬する空間を作るために、以前に埋葬した死者の骨を地中から取り出して、それを回廊のアーチの上に積み重ねた。

 その納骨棚の下には、骸骨が踊りながら皆を引き立てていく有名な「死の舞踏」の絵が描かれていた。「死の舞踏」の絵は、このサン・イノサン墓地が発祥の地になって、14世紀末から15世紀、ヨーロッパ中に広がった。そこには、教皇、司教、皇帝、貴族、騎士、代官、修道士、教師、商人、農夫、医者など、あらゆる身分の人々を、その分身である骸骨が踊りながら死の世界に誘っていく様子が描かれている。

死と隣り合わせの中世


...【全文を読む】
記事の全文をご覧になるには会員登録が必要です。
無料で毎月10本までご覧になれます。
新規会員登録へ

コメント

コメントの書き込み・表示するにはログインが必要です(承認制)。