ワシントン・タイムズ・ジャパン

近代拳闘の先導者、英ユダヤ系

佐藤 唯行

洗練された競技に進化 攻撃と防御のバランス重視

獨協大学教授 佐藤 唯行

 近代ボクシング発祥の地、英国。その草創期1760年代から1820年代にかけて、少なくとも30人のユダヤ人が英拳闘界で活躍し、競技の近代化に貢献した。総人口の0・1%にすぎぬ在英ユダヤ人の多くが貧困と差別に苦しんでいたこの時代は、英拳闘界におけるユダヤの黄金時代でもあったのだ。

 最強のユダヤ系選手は第16代英国チャンピオンとなり「イスラエルの星」と称(たた)えられたダニエル・メンドーサだ。彼の活躍に対する英国民の熱狂ぶりを示す一例となるのが1789年夏、仏革命勃発と時を同じくして彼が闘った試合だ。この時、英諸新聞は革命よりも彼の試合の方を優先的な紙面で報道したほどであった。彼の叙事詩的闘いぶりについては、民衆歌謡の中で長らく歌い継がれたのであった。

反ユダヤ感情和らげる


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