ワシントン・タイムズ・ジャパン

浅野総一郎とサミュエル商会

佐藤 唯行

ユダヤの石油王と契約

獨協大学教授 佐藤 唯行

 ロシアとの戦いに備えねばならなかった明治中頃の日本。金本位制採用は急務の課題だった。国際金融市場で戦時公債を発行し、戦費を調達する際の前提条件だったからだ。1897年、金本位制採用にあたり、日本政府は正金の裏付けがある英ポンド、450万ポンドを調達せねばならなかったが、この時、起債を首尾良く成功させたのが英国ユダヤ人、マーカス・サミュエル(1853~1927)だった。「金本位制の恩人」と称せられるゆえんである。これより3年前の日清戦争では大陸派遣日本軍への軍需品輸送で日本を助けてくれた。この功により、戦後、清より割譲された台湾において、特産品、樟脳の出荷施設の経営権を日本政府から委ねられてもいる。

 また先の功と合わせる形で彼は明治天皇より勲一等旭日大綬章を授けられたのだ。


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