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明治維新の政治思想とアジア

小林 道憲

伝統と近代を見事に融合 今世紀の諸国家を導く理念に

哲学者 小林 道憲

 今年は、明治維新から150年の年に当たる。明治維新を導いた政治思想とその後のアジアの政治思想について考えてみたい。

 ヨーロッパ列強の進出という未曽有の危難に際し、これを乗り越えるために、旧来の封建制度を打破して、斬新堅固な近代国家を確立しようと決意した幕末から維新にかけての私たちの祖先は、この危機に面して、わが国本来の国家経綸の理想を自覚した。それは、例えば、よく知られている1868年の『五箇条の御誓文』にも端的に表現されている。そこでは、何よりも広く人材を集めて会議を興し、重要政務は全て公正な意見によって決すべきこと、さらに、身分の上の者も下の者も心を一つにして、積極的に経綸を遂行すべきこと、かくて、朝臣武家の区別なく、さらには庶民の全てにわたって、各自の志望を達成できるように計らい、人々を失意の状態に追いやらぬようにすることが肝要であることなどが述べられている。


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