■連載一覧
  • 人口減少社会を超えて 第1部・先駆けの地方移住
  • 米国の分断 第2部 反米・容共の風潮
  • 米朝“宴の後”で 非核化・拉致問題の行方
  • 米朝首脳会談の焦点
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  • 香港・中国返還20年 「一国二制度」の前途
  • 台湾に吹いた蔡英文旋風
  • ルポ・政権交代の攻防 台湾総統選
  • 二極化する香港 識者インタビュー
  • 香港誌「前哨」編集長 劉達文氏に聞く
  • 「雨傘革命」下の香港 揺れる一国二制度の行方
  • 揺れる香港 各派リーダーに聞く
  • 香港の普選運動 親中派民間団体代表の見方
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  • 危機のアジア 識者に聞く
  • 南シナ海 強まる中国支配 安保専門家に聞く
  • ドゥテルテ大統領就任から3カ月 どこへ向かう比政権
  • 香港「自治」の行方 識者に聞く
  • 中華圏に浸透する同性婚
  • 中台関係の行方
  • 日米同盟と台湾 海洋安全保障の展望
  • 蔡英文時代の台湾 本土派路線のビジョンと課題
  • ASEANの夜明け アジアハイウエー7000キロルポ
  • 緊張 南シナ海
  • 中央アジア胎動 中国「新シルクロード」と日本の戦略
  • “政熱経熱”の中韓
  • 新QDRと米中軍事バランス
  • 新グレートゲーム・幻想だった中国の平和的台頭
  • 新グレートゲーム・中国南進の海
  • 2018/1/04
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  • 2013/4/18
  • ムスリム同胞団とアラブ モハメド・F・ファラハト氏に聞く
  • 多難な年明けのトルコ
  • EUと難民 UNHCRウィーン事務所報道官に聞く
  • ロシアのシリア内戦介入 アルアハラム財団事務局長に聞く
  • 2017/9/01
  • 2016/1/30
  • 2015/12/11
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  • 「赤旗」役所内勧誘の実態
  • 憲法改正 私はこう考える
  • 衆院選大勝 安倍政権への提言
  • 2017衆院選 国難と選択
  • 新閣僚に聞く
  • 第3次改造内閣 信頼回復へ始動
  • ’17首都決戦
  • 施行から70年 憲法改正を問う
  • どうなる「民共協力」 27回共産党大会の焦点
  • 蓮舫民進 疑問の船出
  • 新閣僚に聞く
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  • 再改造内閣 始動
  • 安倍政権 新たな挑戦
  • 16参院選 注目区を行く
  • 伊勢志摩サミット
  • 憲法改正 ここが焦点
  • 筆坂元日本共産党ナンバー3と田村自民党政務調査会審議役が対談
  • 第3次安倍改造内閣スタート
  • 詳解 集団的自衛権 安保法制案の合憲性
  • 衆院選 自公圧勝 ~課題と展望~
  • ’14衆院選 注目区を行く
  • 第2次安倍改造内閣スタート
  • 日米首脳会談 成果と課題
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  • 2014/4/26
  • 歪められた沖縄戦史 慶良間諸島「集団自決」の真実
  • 国防最前線・南西諸島はいま 第2部 自衛隊配備へ動く石垣島
  • 国防最前線・南西諸島はいま 第1部 与那国島・陸自駐屯地
  • 激震・翁長県政 「オール沖縄」の凋落
  • 普天間基地移設 経緯の検証と提言
  • 「援護法」に隠された沖縄戦の真実
  • 2018/4/07
  • 2016/10/31
  • 2016/10/12
  • 2016/1/26
  • 2015/10/01
  • 2013/7/08
  • どうなる米朝首脳会談
  • 検証 南北首脳会談
  • どう見る北の脅威
  • 北暴走 揺れる韓国
  • どう見る北の脅威
  • 北朝鮮 制裁の現実
  • どう対処 北の脅威 米有識者に聞く
  • 9年ぶり左派政権 文在寅大統領の韓国
  • 弾劾の波紋 漂流する韓国政治
  • 検証・金正恩統治5年
  • どこへ行く混迷・韓国 国政介入事件の深層
  • どう見る金正恩体制 日韓専門家対談
  • 迎撃ミサイル配備 韓国の決断
  • 3代世襲“完成” 北朝鮮第7回党大会
  • 検証 元料理人 藤本氏の再訪朝
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  • 日韓国交正常化50年 識者に聞く
  • どうする拉致解決 日朝ストックホルム合意1年
  • 日韓国交正常化50年 「嫌韓」「反日」を越えて
  • 張成沢氏失脚 北で何が起きたか
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  • トランプ大統領の衝撃 米国と世界はどこに向かう
  • トランプvsヒラリー 米大統領選まで1カ月
  • オバマのLGBT外交 米国と途上国の「文化戦争」
  • トランプVSヒラリー 米大統領選まで3カ月
  • オバマ外交と次期米大統領の課題
  • 2016年米大統領選まで1年
  • 再考 オバマの世界観
  • オバマの対宗教戦争・第1部
  • オバマの対宗教戦争・第2部
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  • 2015/12/24
  • 乾 一宇
    乾 一宇
    元防衛研究所研究室長
    茅原 郁生
    茅原 郁生
    中国安全保障
    濱口 和久
    濱口 和久
    防衛レーダー
    高永喆
    高永喆
    拓殖大学客員研究員
    新田 容子
    新田 容子
    サイバー安全保障
    岡田 真理
    岡田 真理
    フリーライター
    竹田 五郎
    竹田 五郎
    元統幕議長
    田村 重信
    田村 重信
    元自民党政務調査会審議役
    上岡 龍次
    上岡 龍次
    戦争学研究家
    吉川 圭一
    吉川 圭一
    グローバル・イッシューズ総合研究所代表

    米朝会談「中止」と今後の展開

    杉山 蕃元統幕議長 杉山 蕃

    援助先行の動きは禁物
    対北経済封鎖、厳格に継続へ

     世界中の耳目を集める米朝会談が旬日後に迫ったところで、北朝鮮の揺さぶり的動きが報ぜられていたが、業を煮やしたトランプ大統領が、北朝鮮に会談中止の書簡を送った。北朝鮮は予期せぬ米国の強硬な処置に、苦しい対応を迫られているが、今後の展開は予断を許さないところである。

     まず本年初頭、平昌五輪を契機に、核開発強行路線から、一転、対話・交渉路線に切り替えた北朝鮮の事情を確認したい。第一に核開発の状況である。本件はミサイル発射・核実験のたびに、マスコミにより細部報道された通り、核弾頭、長距離弾道弾技術は、北朝鮮にとっておおむね満足すべき状態に達したと判断したと考えられる。

     第二の状況は、厳しい国際環境に置かれ、封鎖・孤立が進んだことによる閉塞(へいそく)状態打開を必要とするとした判断であろう。そもそも北朝鮮の原子炉導入の経緯は、旧ソ連から「核拡散防止条約(NPT)体制」への加盟を条件に供与されたものを、直後から秘密裏に核開発を行い、露見するやNPT、国際原子力機関(IAEA)からの脱退、復帰そして最終的に、脱退する過程で、日米韓から援助を盗み取る等の行為で、核開発・孤立の道を進んだものである。この間、拉致問題、密輸、貨幣偽造、韓国への軍事的挑発等と相まって、国際世論の悪化は極に達しており、打開策が必要とする判断があったと考えられる。

     第三に、度重なる核実験の結果、安保理決議が中露を含む全会一致で可決され、極めて厳しい経済封鎖が開始されたことであろう。これにより、石炭輸出制限、労働者集団派遣の終了、開城工業団地閉鎖をはじめとする外貨収入の大幅削減、そして石油および関連製品の輸入に対する厳しい封鎖処置が時間とともに大きな効果を発揮し、国家経済上耐えられない状態に至ると判断されることである。

     第四の軍事であるが、非核・在来軍事力は、旧式化し、近代装備を誇る米韓連合軍には太刀打ちできる状態に無い。非武装地帯(DMZ)近辺に配した長距離火砲群が自慢であるが、米韓軍も長年手をこまねいていたわけではない。被害極限・反撃・逆襲の作戦計画は練りに練られていると考えてよい。頼みとする核兵器は、確かに生存を担保する意味からは重要な役割を有するが、米国が軍事攻撃を決定すれば、巡航ミサイル等による先制攻撃で、なすすべなく破壊されてしまうであろう現実も大きな脅威として認識されていると見られる。

     こうして見ると、国際間の非難を浴びながら進めてきた核開発、核兵器保有であるが、厳しい国際環境に迫られ、特に経済封鎖の効果が顕著になっていく状況から、方針変換のやむなきに至ったと考えてよい。言い換えれば、後の無い北朝鮮が最後の切り札である「核放棄」という「目標」をちらつかせながら、外圧の壁をいかに和らげ、状況を好転させる方向を模索し始めたと見るべきである。

     中止となった米朝会談であるが、今後の展開について考えてみたい。本件「大好転」を期待した層も多かったと推察するが、決して簡単に道が開ける筋合いのものでは無い。北朝鮮は予備交渉の段階で「米側の一方的な要求には、会談中止もやむを得ない」と発言したり、高級レベルの事前交渉を無断で中止したり、種々さまざまな駆け引き、曲折が予想されたところである。ちなみに米露間の核軍縮「スタート条約」は第1次条約の成立(1991年)に10年を要しているし、その後も改定をめぐり難航を重ねる交渉が引き続けられて現在に至っている。今回は、事前交渉を通じ、両者の主張に乖離(かいり)が大きく、北朝鮮の瀬戸際交渉に米国が応ぜず、中止と言うカードを切ったのであろう。これにより、現在の経済封鎖をはじめとする厳格な国際処置が継続されることとなるが、過去に失敗した「朝鮮半島エネルギー開発機構(KEDO)」に見られるような、援助先行型の動きは断じて行ってはならないと銘肝すべきである。

     対話路線への変更以降、関係国の対応には首をかしげるところが見られる。韓国文政権の姿勢は、「前のめり」と評せられるが、安保理決議をはじめとする国際協力の原点に立ち、関係国の結束を緩めるがごとき行動は厳に慎むべきであろう。北朝鮮の寄るべき大樹としての中国の判断も微妙である。米朝会談を前に、連続2回の金正恩訪中は異常であり、いかなる合意がなされたか不明であるが、北朝鮮の強硬な態度の支えとなっている可能性がある。中国も、安保理決議の原点を損なわず国際間の協力を果たすべきである。

     我が国の取るべき態度は、当然封鎖の現状を厳しく維持し、国際的な協調を固めることが大切で、安倍首相の主張は支持されるべきものである。北朝鮮は、核実験場の廃棄現場への取材に際し、我が国マスコミをボイコットする嫌がらせを行ったが、筆者は結構なことと考えている。理由は、今後の非核化交渉の過程において当然生起する北朝鮮への援助・投資と言った問題を考えるとき、KEDO問題(軽水炉建設費用の30%負担)で見せたようなお人好しの姿勢は取るべきではない。むしろ、拉致問題、不正入国、漁業問題を前面に、厳しい態度を取り続けるべきであろうと考えているからである。米朝会談中止後の展開を大きな関心を持って見守りたい。

    (すぎやま・しげる)

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