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LGBT条例に反対する信念 家族破壊防ぎ日本を守る

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春日部市議会議員 井上 英治氏に聞く

 同性カップルの関係を「結婚に相当する関係」と認定する「パートナーシップ制度」が全国に拡大するとともに、LGBT(性的少数者)支援団体による制度導入を求める請願活動が続いている。そんな中、埼玉県春日部市の井上英治市議(無所属)は2020年9月議会で、「市内ではLGBTに起因する差別事案は起きていない」として請願に一人反対し、支援団体の抗議とメディアの非難報道にさらされた。

 しかし、「発言を訂正する理由はない」「差別感や偏見は持っていない」として、発言の撤回・謝罪を拒否した。毅然(きぜん)とした姿勢で、言論と議員活動の自由を守った井上市議に、活動家らによる抗議活動の実態や、地方議会の問題点などについて聞いた。
(聞き手=森田清策)

地方から国を壊す作戦
共産主義研究せぬ若い政治家

春日部市議会議員 井上 英治氏

いのうえ・えいじ 1949年、春日部市生まれ。中央大学卒。72年、鉄労に奉職。91年、(株)USENに勤務。2009年、同社定年退職。10年、春日部市議会議員初当選。日本会議首都圏地方議員懇談会幹事。

井上市議がパートナーシップ制度の導入を実現させるためのLGBT支援条例に反対する理由は。

 信念からです。LGBT運動とは何かと関心を持ってみると、かつて同盟系の鉄労(鉄道労働組合)に奉職し、国鉄の労働運動(左翼)に対峙(たいじ)した人生経験から、日本の伝統的な家族制度を地方から壊そうと狙う左翼の作戦だ、とストンと分かった。パートナーシップ制度を導入する自治体を増やし、それを同性婚の制度化につなげ、日本の伝統文化の柱である結婚制度を破壊する作戦だ。

 人脈を見ても、当初、パートナーシップ制度の導入を進めた地方の首長や議員は、日本社会党委員長で社民党党首だった土井たか子(故人)や福島瑞穂に縁の深かった「チルドレン」が多かった。だから、このままでは日本という国がおかしくなるという危機感から反対した。

パートナーシップ制度は現在、130余りの自治体が導入している。制度に反対する地方議員が少ないのはなぜか。

 二つあると思う。一つは、若い議員に特に言えることだが、選挙に生活が懸かっている。落選したらメシが食えなくなる。

 私は、LGBTの問題については2018年9月議会で、一度取り上げた。市の執行部にLGBT関連の相談件数を確認したら、さいたま地方法務局管内での人権相談で、性的指向の相談は年に1、2件で、性同一性障害の相談は5、6件程度だった。市教育相談センターにおけるいじめ相談窓口では、LGBTに関しては過去3年間ゼロだった。

 また、パートナーシップ制度が必要な理由について、支援団体はパートナーが入院した場合、病室での付き添いができないことを挙げているが、市の病院事務部長は公正証書であらかじめ指定した人、本人から親しい友人としての申し出があれば、付き添いなどは可能だという説明があった。だから、LGBT条例を制定する必要はないと考えた。

 だが、20年9月議会で、LGBT支援団体からパートナーシップ制度の導入などを求める請願が出たので、再度、執行部にいじめ相談窓口へのLGBT関連相談は過去5年間にゼロだったことを確認した。その上で春日部市でさえ単独で人権、子育て、心の相談などの約30種類の相談窓口を無料で設置しているにもかかわらず、この実状であるため、「差別はない」「小中学生にレズビアンやゲイを教える必要はない」と反対討論を行った。

 請願への反対は私1人だったので、反対理由を説明しなければならないと思って討論を行ったのだが、左派メディアがそれを取り上げ大騒ぎになった。

 記事を書いた記者にはなぜ反対するのか、論理を一つひとつ積み上げて説明したら、最後、黙っちゃいましたよ。結局、「価値観の違いでしょ」となる。

 だから、この問題は左派のマスコミとの対決なんだ。朝日、毎日、NHKも世論を一定方向に誘導する報道を行っている。

 だが、地方議員にとって、LGBTのような問題は特殊な問題だ。一般的には防災対策、道路・橋の整備、国民健康保険、医療・介護の充実などの問題について提案したり、執行部に質問することが多い。

 LGBT問題はそれらとはまったく質が違う。選挙に勝ち残るために偏向したマスコミがつくった世論に迎合し、間違いを「間違い」と言えないのが、現在の地方議員の実態ではないか。

パートナーシップ制度に反対する議員が少ないもう一つの理由は。

 この問題では、「言論の自由」に対する議員の信念や左翼イデオロギーに対する価値観が問われている。つまり、今の政治家には、LGBT運動と左翼の作戦に対する認識がないということ。

 先ほど説明したように、私は左翼の労働運動に反対する立場から、共産主義を研究した。小泉信三や河合栄治郎などを勉強して、共産主義は間違いだと思っていたわけだ。

 かつては、共産主義とは何か、全共闘とは何か、などと普通に議論する状況があったが、今の若い政治家はその環境がないために左翼について勉強していない。マルクス主義や毛沢東主義が作戦を変えて迫ってくることにまったく警戒心がないし、左翼が暴力革命・ゲバ棒を捨てて議会に進出してきているという認識もない。

「差別はない」「左翼の作戦」などとした市議会での井上市議の発言に対しては、支援団体が謝罪や発言撤回を求め、大手メディアがそれを報じる形で市議を批判する報道を行った。井上市議の発言は、市議会で問題になったことはあるのか。

 まったく問題になっていない。問題にしようと思ったら、辞職勧告決議案が出ただろうが、出ていません。逆に、請願に賛成しながらも、「井上さんの方が正しい」と言ってきた議員もいるくらいだ。

支援団体「レインボーさいたまの会」が21年4月、「井上議員のLGBT差別発言への抗議署名」と題して、公の場で謝罪することを求めるネット署名1025筆を、井上市議と市議会議長宛に、議会事務局に出した。

 署名といっても、町名や番地、電話番号、押印などがない。しかも、一見してあり得ない住所を書いているものもある。それが署名に値するのか。それでも朝日新聞と埼玉新聞が「1025人分の署名」を提出したと報じた。

 一方で、20年11月、記者会見を開いて、差別感や偏見は持っていないし、議会は反社会的でない意見ならば自由に賛否を述べる場だから、発言は撤回しないと述べた後、自宅に「死ねバカ、殺すぞ」「絶対許さねえぞ、家族もろとも覚悟しておけ」と脅迫電話がかかってきた。家族にまで危害が及ぶのが心配で、春日部警察署に被害届けを出したが、それを左派メディアは無視した。マスコミの、この報道姿勢こそが問われるべきだろう。(敬称略)


【メモ】 小学時代から始めた柔道は、日本マスターズ柔道大会第1回大会(2004年)準優勝の腕前。LGBT活動家らからの執拗(しつよう)な抗議活動に遭ってもまったくぶれない姿勢は鉄労時代に学んだ左翼の戦術に対する洞察と、柔道で培った精神力が支えている。


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