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自衛隊配備「一定の理解得た」 中山義隆・石垣市長

3期目の中山義隆・石垣市長に聞く

 陸上自衛隊の南西諸島配備が進む中、石垣島はいまだ配備受け入れを表明していない。安全保障に理解を示す中山義隆市長が3月に3選を果たしたことで、配備に向けた動きの加速が予想される。3期目に当たり、自衛隊配備の見通し、行政区域である尖閣諸島の現状などについて聞いた。(聞き手・豊田 剛)

「遅くない時期」に判断示す

厳しさ増す尖閣防衛、県の辺野古反対で市政にしわ寄せ

 ――市長選では、保守分裂となり、三つどもえの戦いを制した。

中山義隆氏

中山義隆・石垣市長

 保守系候補が分裂し、革新系候補が漁夫の利を得るのではないかという予想があったが、逆に陣営の結束が強まる結果となった。今回は、これまでの自公に加えて、維新と幸福実現党が推薦してくれて、国会議員、企業・団体が多く動いてくれた。中央との信頼関係、太いパイプが石垣市に役立つと市民が判断してくれたと思う。2月の名護市長選と匹敵するぐらいの運動量だったが、11月の知事選に向けて試金石となった。

 ――3期目の重点政策は。

 好調な経済を伸ばし、1次産業の生産力を伸ばしてそれを利用した加工業にも力を入れたい。そのためにも人材不足を解消したい。観光経済を伸ばすためには、新石垣空港の滑走路を500㍍伸ばし、国際空港の基準である2500㍍にすれば、インバウンドが増え、農産物などを海外に輸出できるようになる。

 ――政府は石垣島を含む南西諸島の陸上自衛隊配備計画を進めているが、配備についての考えは。

 私は一貫して「国防と安全保障は国の専権事項なので基本的に国の考えを理解し対応する」と主張している。市長選では1期目と2期目の時、マスコミや革新系候補が自衛隊配備を争点にした。今回は、それがより具体的になった。革新候補が「島のどこにも造らせない」、元県議の保守系候補は「現行計画を白紙撤回し住民投票」を公約に掲げた。結果的には、私の考えに一定の理解は得られたと思う。

 ――配備予定地の住民の理解はどのように得るのか。

 自衛隊配備計画について、市が知り得た情報はすべて市民にオープンにして、賛否両論をしっかり聞いて総合的に判断したい。今月に入り、配備候補地に最も近い二つの公民館で市が意見交換会を主催した。市が防衛省からもらった情報を公開し、市民から意見を聞くという形を取った。6月11日には全市民を対象に説明会を開いた。市民の疑問点や不安に思う点を集めて、防衛省に確認を取って回答を得る作業をしていく。得た回答はすべてオープンにしたい。

 南西諸島では、与那国島はすでに自衛隊が配備され、宮古島と奄美はすでに着工している。そんなに遅くならない時期に市長としての判断をしたい。

 ――市長選の分裂で、議会にどのような影響があるか。

 市議会は22議席中、与党は11議席だが、議長を出しているため議場では少数となっている。9月の市議選で与党多数となることを願うが、それまでは厳しい議会運営となるだろう。

 ――中国は尖閣諸島の領有権を主張している。

 相変わらず接続水域や領海への侵入、領海侵犯が相次いでおり、厳しさは増している。尖閣諸島が石垣市の行政区域であり、国際法上も固有の領土であることを広くPRし、現状を含めて情報発信したい。また、海外メディアからよく取材を受けるが、現状を伝えて発信している。また、2020年に新庁舎ができるが、1階部分に尖閣情報発信コーナーを設ける。

 ――尖閣防衛に対して国や県への要望はあるか。

 海上保安庁は石垣海上保安部の機能を増強してくれた。国には臨機応変に対応し、海外に尖閣諸島が石垣の行政区域であることを常にアピールしてほしい。同時に、県の行政区域でもあるから、県も当事者として主体性をもって協力的に取り組んでほしい。

 ――普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古移設をめぐって国と対立する県政の在り方をどう思うか。

 辺野古移設工事をめぐる裁判で、当初は「裁判にゆだねる」としながら、法的に問題ないという判決が出た後も反対を続けている。これでは国との信頼関係がなくなるのも当然だ。

 その影響からか一括交付金が当初より約500億円減額され、市町村の補助事業に大きな影響が出ている。もしくは、県がやるべき事業の予算が削減され、完成時期がずれ込んでいる。空港アクセス道路は2019年に開通される予定だったが、完全開通の見通しがつかない。県民、市民の生活があるわけだから、イデオロギーで対立されたら困る。


= メ  モ =

なかやま・よしたか

 昭和42年沖縄県石垣市生まれ。近畿大学商経学部卒。野村證券などの勤務を経て、平成18年に日本青年会議所沖縄地区会長に就任。平成18年、石垣市議選に初当選。平成22年に石垣市長選に初当選し、現在は3期目。

南西諸島自衛隊配備計画

 中国の軍拡に伴う海洋進出を背景に、南西地域の島嶼部に陸上自衛隊を配備する計画。2016年には与那国島に沿岸監視部隊が配備された。奄美大島、宮古島、石垣島には警備・ミサイル部隊などを配備する予定。奄美大島と宮古島は着工しているが石垣島は未着工。

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