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トランプ氏来日、日米は中朝の脅威に備えよ

 トランプ米大統領がきょう、来日する。安倍晋三首相はトランプ氏と共に日米同盟強化を確認し、核・ミサイル開発を加速させる北朝鮮や強引な海洋進出を進める中国など共通の脅威に備える必要がある。

アジア5カ国を歴訪

 トランプ氏は5日から就任後初めてアジアを歴訪する。日本、韓国、中国、ベトナム、フィリピンの5カ国を回る。オバマ前米大統領がアジア回帰政策を示してきただけに、この歴訪は米国第一主義を強調するトランプ氏のアジア関与への本心を読み取る機会になる。

 首相とトランプ氏が2月に米ホワイトハウスで行った初会談は、昼食会を含めて約1時間45分に及んだ。両首脳の相性の良さも指摘され、日米蜜月時代を強く印象付けた。

 日米同盟はアジア太平洋地域の平和と繁栄、自由の礎である。両国には同盟強化への不断の努力が求められる。

 6日の日米首脳会談では北朝鮮問題などを話し合う。北朝鮮への対処は両国にとって喫緊の課題である。

 首相は先の衆院選で北朝鮮危機を「国難」とし、圧力強化の必要性を訴えて自公両党は3分の2以上の議席を獲得した。国内基盤を固めた後は、米国との防衛協力を進めるべきだ。日米両首脳は北朝鮮の核・ミサイルを全世界の脅威と位置付け、核保有を決して認めないと改めて表明しなければならない。

 この日は、北朝鮮による拉致被害者の家族との面会も行われる。トランプ氏は9月の初の国連総会演説で、拉致問題に言及し、北朝鮮を非難した。米国が公の場でこの問題に触れるのはこれが初めてだ。

 米国でも今年6月、北朝鮮で約1年半拘束された後、昏睡状態で解放された大学生が死亡した。拉致解決に向け、日米が協力強化で一致する必要がある。

 一方、首相は「自由で開かれたインド太平洋戦略」の実現に向け、トランプ氏に連携を呼び掛ける。この戦略は、成長著しいアジアと潜在力が高いアフリカを「力や威圧と無縁で、自由と法の支配、市場経済を重んじる場」とするため、インフラ整備と安全保障協力をパッケージで推進していくものだ。インド洋と太平洋がつなぐアジア・アフリカ地域で影響力を増す中国に対抗する狙いがある。

 中国では先月開催された共産党大会で、習近平総書記(国家主席)の権力基盤が強化された。中国はすでにパキスタンやスリランカなどのインド洋沿岸国で道路や港湾などのインフラ整備を進め、海洋進出の拠点としているが、今後はこうした覇権主義的な動きが一層強まる恐れがある。

 沖縄県・尖閣諸島周辺では中国公船が領海侵入を繰り返し、南シナ海では中国による人工島造成や軍事拠点化が着々と進んでいる。他国の主権侵害や国際法違反を放置することがあってはならない。

積極的な関与を促せ

 政府は具体的な連携策として今後、日米豪印4カ国の首脳級による戦略対話の実現などを目指すという。首相はトランプ氏にアジアに積極的に関与するよう促す必要がある。

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