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高浜原発再稼働、裁判所は運転を妨げるな

 関西電力高浜原発4号機(福井県高浜町、出力87万㌔㍗)が約1年3カ月ぶりに再稼働した。関電は3号機も6月上旬に再稼働させる方針だ。

 高浜3、4号機は司法判断で停止状態が続いていた。裁判所は偏った判断によって安全が確認された原発の運転を妨げてはなるまい。

 差し止め命じた大津地裁

 関電は高浜3、4号機の再稼働で月約70億円の収支改善を見込んでおり、今夏以降に電気料金を下げる方向だ。原発の活用で安価な電力の安定供給に努めてほしい。

 高浜3、4号機は原子力規制委員会の安全審査に合格し、4号機は昨年2月に再稼働した。しかし大津地裁が同3月、両基の運転差し止めを命じる仮処分決定を出したため停止していた。運転中の原発を止める仮処分決定は初めてだった。

 大津地裁は、東京電力福島第1原発事故を踏まえた新規制基準の過酷事故対策について「関電の主張や証明の程度では、新規制基準や(規制委が審査で与えた)設置変更許可が、直ちに公共の安寧の基礎になると考えることをためらわざるを得ない」と述べた。

 だが、新規制基準は世界で最も厳しいレベルとされている。原発の安全性に関する判断は高度な専門性が求められるが、大津地裁の仮処分決定は一部の原発反対派に迎合したものだと言えよう。

 一方、今年3月に仮処分決定を取り消した大阪高裁は、原発の安全審査に関して「専門性、独立性が確保された規制委の判断に委ねられている」と指摘した。これを受け、高浜3、4号機の再稼働が可能になった。

 原発の燃料に使うウランは世界に広く分布している。化石燃料に比べて安価で価格変動も少なく、長期的に安定して確保することができる。エネルギー資源の乏しい日本で原発は不可欠だ。発電時に二酸化炭素(CO2)が発生しない原発の活用は、地球温暖化対策の強化にもつながる。

 しかし、原発の運転差し止めを求める仮処分申請は各地で出されている。仮処分決定で運転が止まるようでは、安価な電力の安定供給はおぼつかない。

 最高裁は1992年10月に下した伊方原発訴訟の判決で、原発の安全審査は、科学的、専門的な知見に基づく行政の合理的判断に委ねるとしている。申請を受けた裁判所は、この最高裁判決を踏まえた判断が求められよう。

 高浜4号機の再稼働で、全国で運転中の原発は九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県)、四国電力伊方原発3号機(愛媛県)と合わせ3カ所4基となった。規制委は効率的に審査を進め、再稼働する原発を着実に増やしていかなければならない。

 新増設へ理解得る努力を

 政府はエネルギー基本計画で原発を「重要なベースロード電源」と位置付け、2030年度に電源構成に占める原発の比率を20~22%とする目標を掲げている。

 一定の比率を維持するには、原発の新増設や建て替えが必要となる。政府は国民の理解を得られるよう努めるべきだ。

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