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沖縄前副知事は不祥事について十分な説明を

 沖縄県の安慶田光男前副知事が、教員採用試験で特定の受験者を合格させるよう県教育委員会に口利きしたとの疑惑をめぐって、県教委は諸見里明前教育長から事実を裏付ける証言があったとして口利きがあったことを認めた。

 安慶田氏は「多くの県民に不安を与え、県政を混乱させた」として辞任したが、口利きについては否定している。県教委の事実認定について十分な説明をすべきだ。

 教員試験で教委に口利き

 諸見里氏は2015年8月ごろ、安慶田氏から3人の受験番号や名前が書かれたメモを渡され「よろしく」と言われたと証言。当時の幹部と協議の結果、依頼には応じなかったとした。また、15年から16年にかけ、教育庁の幹部人事についても依頼があり「固辞したところ、厳しい恫喝(どうかつ)を浴びせられた」と説明している。

 平敷昭人教育長は「働き掛けがあったと考えざるを得ない」と述べ、口利きがあったことを認めた。公教育への信頼を損なう行為であり、言語道断だ。安慶田氏に十分な説明が求められるのはもちろん、翁長雄志知事の任命責任も問われよう。

 14年12月に沖縄県知事に当選した翁長氏は、当時那覇市議会議長だった盟友の安慶田氏を副知事に起用した。安慶田氏の県職員への恫喝は日常茶飯事で、翁長氏も見て見ぬふりだったとされる。

 安慶田氏は基地問題や予算交渉で首相官邸や自民党本部との交渉役を担ってきた。菅義偉官房長官とのパイプを誇示することもあった。翁長氏は知事就任以来、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への移設に一貫して反対してきたが、交渉役の安慶田氏の辞任は大きな打撃となろう。

 辺野古移設をめぐっては昨年12月、国が翁長氏を相手に起こした訴訟で、最高裁が「仲井真弘多前知事が埋め立てを承認した判断に違法はない」と結論付けた。この判決を受け、埋め立て承認の取り消し処分を撤回したことで、翁長氏の求心力は衰えが見られる。

 一方、今回の疑惑発覚と安慶田氏の辞任は、翁長氏を支える「オール沖縄」陣営の結束力の低下を示すものとの見方も出ている。このほど投開票された宮古島市長選をめぐって「オール沖縄」陣営が擁立した候補者に共産党が反発。別の候補者を立てて翁長氏も支援したため、陣営が分裂した。これが疑惑発覚の背景になったとも指摘されている。

 宮古島市長選は、陸上自衛隊配備の受け入れを表明した現職が3選を果たした。中国の海洋進出を念頭に、政府は南西諸島の防衛体制強化を目指しており、宮古島には700~800人程度の陸自警備・ミサイル部隊を置く計画だ。

 辺野古移設を着実に

 翁長氏は辺野古移設に反対する姿勢を変えていないが、在日米軍の抑止力維持と沖縄の基地負担軽減を両立させる唯一の方法は辺野古移設である。

 米国ではトランプ新政権が始動した。日米同盟強化と地域の安定のためにも、政府は移設を着実に進める必要がある。

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