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ソ連崩壊25年、領土返還へ取り組み強めよ

 東西冷戦の一方の盟主として共産・社会主義陣営に君臨したソビエト連邦が崩壊して25年となった。ソ連の継承国のロシアではエリツィン時代の混乱を経てプーチン大統領が登場し、欧米との対立を強めている。わが国は日米同盟を基軸としつつ、北方領土返還を実現すべきだ。

中国との結び付きを強化

 1980年代に当時のレーガン米大統領は戦略防衛構想(SDI)を推進。新たな軍拡競争にソ連経済は耐えられないと判断したゴルバチョフ書記長は、ペレストロイカ(立て直し)と新思考外交を掲げ大胆な軍縮提案を行い、西側との関係改善に乗り出した。

 さらに、チェルノブイリ原発事故を受けグラスノスチ(情報公開)を推し進めた結果、東欧衛星諸国で共産党体制が相次いで倒れ、89年12月のマルタ会談で冷戦が終結。91年8月にはソ連で保守派によるクーデターが起こり、ゴルバチョフ大統領が軟禁された。クーデターは失敗。ロシア、ウクライナ、ベラルーシの連邦構成3共和国の首脳による12月の「ベロベーシ合意」で、ソ連は解体された。

 新生ロシアはエリツィン大統領の下、急進的な資本主義化や、さまざまな不正が指摘される国有企業の民営化などで政治・経済が大きく混乱。第2次チェチェン紛争で辣腕(らつわん)を振るったプーチン首相(当時)が、2000年に大統領に就任した。

 プーチン大統領は当初、欧米と良好な関係を築こうと試み、わが国との間でも、ソ連・ロシアの指導者として初めて、平和条約締結後の歯舞・色丹の引き渡しを定めた日ソ共同宣言の有効性を文書で認めた。

 だが、北大西洋条約機構(NATO)の東方拡大や、ウクライナのオレンジ革命など、米国の関与が指摘される旧ソ連諸国のカラー革命を受け欧米と対立し、中国との関係強化に動いた。グルジア紛争でさらに欧米との溝を広げ、クリミアを併合したウクライナ危機で欧米諸国の経済制裁を招いた。

 わが国との関係も冷え込み、「ロシアの北方四島領有は第2次大戦の結果だ」などとして、領土問題は存在しないとの立場を取るに至った。一方、安倍晋三首相は、北方領土問題の解決と平和条約の締結、日露の関係強化に向け、8項目の経済協力プランをロシアに提示。今月15日には首相の地元である山口県長門市にプーチン大統領を招き、首脳会談を行った。

 沖縄県・尖閣諸島の領有権を主張する中国は、ロシアや韓国を巻き込み対日包囲網を形成しようと試みている。南シナ海でも明らかなように、中国の海洋進出はさらに加速しつつある。

 この中国の膨張主義を支える大きな要因の一つが、中露の戦略的パートナーシップ関係だ。米国の影響を受ける海洋を経由せず、陸続きのシベリアの資源へのアクセスを確保したことが、中国を強気にさせている。

日本は戦略的関与を

 わが国は北方領土問題の早期解決を目指して取り組みを強めるとともに、ロシア極東での経済的影響力を増大させ、ロシアに脅威を与えている中国をにらみ、ロシアへの戦略的関与を強化する必要がある。

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