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全世界で温暖化防止に努めよ

 地球温暖化抑制への重要な一歩が踏み出された。パリ郊外で開かれていた国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)で2020年以降の温暖化対策の新たな国際枠組み「パリ協定」が採択された。「京都議定書」に代わる18年ぶりの新枠組みである。

 温室ガス「ゼロ」目指す

 協定は、産業革命前からの世界の平均気温の上昇幅を2度未満に抑える目標を掲げるとともに、1・5度未満にとどめるよう努力する方針を併記。さらにできるだけ早く世界の温室効果ガス排出量を減少に転じさせ、今世紀後半に「実質ゼロ」にすることを目指している。

 これらの目標を達成するために、各国に温室ガス削減目標の提出と5年ごとの見直しを義務付けている。また世界全体の排出削減の取り組み状況を5年ごとに検証する。

 途上国支援では、先進国が20年以降も取り組みを継続し、各国は25年までに1000億㌦を下限とした新しい目標を定めることを別文で明記した。

 協定の最大の成果は、先進国だけに削減を義務付けた京都議定書と異なり、途上国を含む全ての条約参加国が削減に取り組むルールを作ったことだ。歴史的に温室ガスを多く排出してきた先進国がより大きな責任を負うのは当然だが、先進国との対立を超え、途上国も応分の責任を負う体制が作られた意味は大きい。

 特に温暖化対策の実効性という面で、世界の排出量の約4割を占める2大排出国の中国と米国が参加したことが重要だ。

 協定では削減目標の提出は義務付けられたが、目標値の達成は義務化されなかった。また、途上国への資金支援も拘束力の弱い別文に記された。義務化された場合、米国では温暖化対策に消極的な共和党が多数を占める議会で承認を得られない可能性があるためだ。

 世界の排出量の55%以上を占める55カ国以上の批准で発効するとしたのも、実質的に米中が入らないと成り立たない枠組みとするためであった。米中の参加を最優先するには、ある程度の妥協もやむを得ない。

 削減目標達成が義務化されなかったことなどによって、結果的に各国の意思に任せられる部分が大きくなった。これからは各国の実行力が問われることになる。その取り組みを世界は注視し、真に温暖化対策に責任を持とうとしているか評価することになる。

 わが国は、30年までに13年比で26%削減する目標を提出しているが、早急に達成に向けた具体的な計画を作ることが求められる。

 平均気温の上昇を2度未満とする目標や、今世紀末に排出量を実質ゼロにするというのは、高いハードルだ。各国が提出した削減目標では、実現は不可能とされている。新しい環境技術の開発や、途上国への技術援助が必要だ。

 新たな環境技術の開発を

 これらの分野で日本が果たしうる役割は大きい。地球の未来に責任を持つという姿勢を示すためにも、新しい環境技術の開発は、国家プロジェクトとして取り組むべきだ。

(12月15日付社説)

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