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COP21、実効性ある新枠組み作れ

 2020年以降の地球温暖化対策の新たな枠組みを決める国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)がきょうから、同時テロ以降厳戒態勢が続くパリで開催される。温室ガスの2大排出国、中国と米国はもちろん、先進国途上国を問わず全ての締約国が参加する実効性のある枠組みを作れるかどうかに、人類の未来がかかっていると言っても過言ではない。

 待ったなしの温暖化対策

温暖化対策は待ったなしだ。世界各地で干ばつや豪雨などの異常気象が起き、北極や南極の氷が解け海面が上昇している。国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は、このまま気温上昇が続けば島嶼国の一部が沈むと警告している。

 新枠組みは本来、6年前の第15回締約国会議(COP15)で合意できたはずだったが、先進国と途上国の対立で決裂し合意に至らなかった。その間の遅れも取り戻さなければならない。

 任期1年余となったオバマ大統領のレガシー(遺産)作りを狙う米国、大気汚染が深刻でしかも経済が減速する中国と、それぞれ思惑はあるものの、両国が温暖化対策への積極姿勢に転じたことは歓迎される。

 国際社会は地球の平均気温の上昇を産業革命前に比べ2度未満にとどめる目標を掲げ、各国は20年以降の温室ガス削減目標の提出を求められた。既に世界の温室ガス排出量の9割を超える約180の国・地域が削減目標を提出している。

 しかし条約事務局によれば、各国がそれぞれの削減目標を実現しても「2度未満」の達成には不十分だ。そのため各国の目標を定期的に見直したり、5年ごとに世界全体での対策を検証したりして、実効性を確保していくことがほぼ固まっている。

 途上国にも温室ガス削減に責任を負っていこうという姿勢が見られるのは明るい材料だ。ただ削減の責任分担や資金支援の問題では、歴史的に温室ガスを排出してきた先進国との溝は埋まっておらず、予断を許さない。

 国ごとにそれぞれ言い分はあるだろう。しかし温暖化を食い止めることができなければ、その災いは地球上のすべての国に降りかかってくる。まさに小異を捨て大同に就くのが最も賢明な判断であり、それ以外は自滅の道しかないと考えるべきだ。

 日本政府は7月、温室ガスを30年に13年比26・0%削減する目標を提出。このうち2・0%は、森林が吸収する温室ガスを増やして削減するとしているが、森林整備の財源として新税の創設も検討している。

 COP21では、途上国の温暖化対策を支援するため、20年までの官民合わせた支援額を現行の年1兆円から1・3兆円に増額する方針などを安倍晋三首相が説明する。また先日閣議決定された、温暖化による被害の最小化を目指す初の国家戦略「適応計画」についても報告する。「適応計画」も重要なテーマだ。

 日本は存在感を示せ

 会議は米中と欧州諸国が主導することが予想されるが、日本は資金力だけでなく、環境分野での高い技術力を持つ。

 これを生かしながら、温暖化対策での存在感を示していくべきだ。

(11月30日付社説)

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