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オバマ政権はアジア重視の姿勢明確に示せ

 米ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)紙とNBCニュースが先月末に共同で実施した世論調査によると、オバマ米大統領の支持率は過去最低の42%に低下した。10月初旬の47%と比べ5ポイントの下落である。

 オバマ大統領の指導力に疑問符が付けば、頼りにならない米国というイメージが内外に定着しかねない。そうなれば、国際社会にとって深刻な事態が到来する恐れがある。

 東アジアサミットを欠席

 支持率下落の要因は、16日間にわたる政府機関の一部閉鎖や新たな医療保険制度(通称オバマケア)の登録用サイトに不具合が見つかったことなどだ。ただ、こうした問題とともに、同盟国の日本としては、このところのオバマ政権の外交姿勢に懸念を抱かざるを得ない。

 オバマ大統領は9月10日のテレビ演説で「米国は世界の警察官ではない」と述べ、「世界のすべての悪を正す術はない」と表明した。

 これに先立ち、超えてはならない一線である化学兵器の使用に至ったシリアへの軍事介入について、米議会の承認を求めるという消極的姿勢を見せた。

 議会に下駄を預けた格好となり、米大統領としては前代未聞の行為であった。改めて言うまでもなく、合衆国憲法は軍の最高司令官としての権限を大統領に付与している。

 オバマ政権の外交路線が受け身の対応に終始した場合、信頼を置いてきた米国との協調を今後、躊躇する国が出てくることも考えられる。

 とりわけ中国の台頭という現実に直面するアジア諸国は、米国との関係を見直さざるを得なくなろう。

 オバマ大統領は、先月上旬に開かれたアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議や東アジアサミットなどを欠席した。予算未成立など内政問題の影響があったとはいえ、これではオバマ政権が掲げてきたアジア重視政策の看板が泣くというものである。

 逆に、一連の首脳会議を通じて中国の存在感が一層増したことは疑いようがない。オバマ大統領はアジア重視の方針を一層明確に示す必要がある。

 中国の政治・経済・軍事的台頭は、現代の世界情勢で最も重要な現象の一つである。米国と中国との経済的関係は密接である一方、中国は海軍力を増強して西太平洋地域における米国の主たる脅威になりつつある。

 海洋進出の動きを強める中国は、沖縄県・尖閣諸島周辺で領海侵犯を繰り返している。日本政府が初めて策定し、12月に閣議決定される「国家安全保障戦略(NSS)」では、中国の脅威を明記し、対応の必要性を訴えている。

 「尖閣は日本領」と表明を

 ウォール・ストリート・ジャーナルは11月1日付社説で、尖閣をめぐる日本と中国の対立を取り上げた。この中で「尖閣の主権問題は事実上決着している」と指摘し、オバマ大統領に尖閣が日本の領土であると明確に表明するよう求めている。

 こうした行為が日米同盟強化に繋がり、アジア太平洋地域での安保協力に資することになるはずだ。

(11月8日付社説)

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