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敬老の日 健康寿命延ばし社会貢献を

 きょうは「敬老の日」。超高齢化社会へと進む日本が解決し、また未来に備えておくべき課題は多い。そういう中で、新型コロナウイルスの感染拡大が高齢化社会に新たな課題を突き付けている。

 コロナで孤独な状態に

 総務省の発表によると、15日現在で65歳以上の高齢者の人口は前年より30万人増の3617万人で過去最多となった。人口全体に占める割合、高齢化率は28・7%で、世界201カ国・地域で最も高い。2位イタリアの23・3%を大きく引き離している。また、70歳以上の割合は22・2%。女性のみであれば25・1%で、4人に1人の割合ということになる。

 最近は健康と若さを保つ高齢者が多くなった。高齢者の定義は世界保健機関(WHO)に従ったものだが、65歳以上とすることが果たして妥当なのか疑問も提起されている。平均寿命や健康状態の変化を科学的に検証し、高齢者の定義を変更した場合の影響を含めて、本格的な研究・検討をすべき時に来ているのではないか。

 少子高齢化で労働人口の不足が課題となる中、高齢者の就労促進がいろいろな意味で求められてくる。高齢者に生きがいを与え、長年の経験を生かすものであることが望ましい。

 高齢者が国内での就労の場を失って外国企業に就職し、長年培ってきた技術や知識を外国企業に持っていかれるのは残念なことだ。こうした掛け替えのない人材の受け皿となる企業や機関を充実させるべきであり、国の支援強化が求められる。

 高齢者の就労促進が社会のニーズとマッチし、日本社会の発展を支えるものとなる前提は、健康寿命の延びにある。新型コロナでも、糖尿病など既往症の有無が重症化リスクと密接に関わることが分かっている。企業などが実施している定期的な健康診断はもちろん、生活習慣病予防や免疫力の重要性など健康に関する知識を理解し生活改善を促す講座の定例化など、より積極的な取り組みを促したい。

 新型コロナの蔓延(まんえん)で、重症化リスクの高い高齢者の集団感染が、全国の50近い老人ホームや介護施設などで発生した。死者や重症患者を出しただけでなく、感染予防のために家族との面会が難しくなり、多くの入所者が孤独な状態に置かれることとなった。

 神奈川県などは、感染予防と入所者・家族の希望を両立するため「面会ガイドライン」を作り、オンラインでの面会では端末機の導入を補助するなどの取り組みを始めている。普通でさえ、社会や人との接触、交流が少なくなりがちな高齢者が、さらに孤独な環境に置かれないよう工夫が必要になっている。

 オンライン交流に支援を

 コロナ感染によって若い世代を中心にオンラインでの交流が盛んになったが、こうしたコミュニケーションの取り方は、外出があまりできない高齢者にこそ向いていると言える。このような交流を助ける取り組みを自治体に求めたい。

 新型コロナ蔓延が突き付けた課題は、一方で高齢者の生活をより時代に合ったものに変化させるきっかけともなるはずだ。

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