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五輪まで1年 感染対策を徹底し準備万全に

 新型コロナウイルスの影響で来夏に延期された東京五輪開幕まで、あと1年となった。
 新型コロナ収束の兆しはまだ見えないが、感染対策の徹底など開催に向けて万全の準備を整えるべきだ。

新型コロナで来年に延期

 本来であればきょう、東京五輪が開幕する予定だった。しかし、新型コロナの世界的な感染拡大を受け、3月に来年への延期が決まった。

 五輪は来年7月23日から8月8日まで、パラリンピックは8月24日から9月5日まで開催される。暑さを避けるために春開催などの案も浮上したが、新型コロナ収束が見通せないことも踏まえ、準備期間をより長く取れる夏とした。

 競技日程と会場については従来の計画が維持される。東京五輪では33競技339種目が42の会場で行われ、全世界から1万人超の選手が参加する。

 一方、新型コロナの感染予防策やコスト削減の観点から、国際オリンピック委員会(IOC)と大会組織委員会は200以上の項目に関して大会の簡素化を検討している。選手や観客の感染予防を最優先に方針を示す必要がある。無観客や観客数の制限も選択肢となろう。

 感染防止策は今年末に公表される。治療薬やワクチンの開発のめどが立たない中では、PCR検査を徹底することが求められよう。海外の選手には水際対策が重要となる。治療体制の整備も不可欠だ。

 新型コロナの感染拡大が続く中、各種世論調査では東京五輪の来年開催に否定的な意見が多い。しかし、現時点で諦めるのは早い。五輪はスポーツを通して国民の一体感を醸成する場でもある。

 思い出されるのは、昨年秋のラグビーのワールドカップ(W杯)日本大会だ。それまでラグビーにあまり関心のなかった人たちも、史上初のベスト8進出を果たした日本代表の活躍に熱狂して大きな声援を送った。まさに「スポーツの力」である。

 新型コロナの感染対策が優先される中、五輪がこれまでと違った形で開催されることはやむを得ない。だが、競技の中で自身の限界に挑む各選手の姿が感動を呼ぶことに変わりはないはずである。

 日本オリンピック委員会(JOC)の山下泰裕会長は、東京五輪が1年延期されても金メダル30個の目標を「変更する予定はない」と明言した。選手たちはさまざまな制約の中でも、東京五輪に向けて練習を積み重ねている。選手たちが実力を発揮できるよう、関係者は環境整備に努めてほしい。

 延期に伴う数千億円の追加費用をどのように分担するかも大きな課題だ。東京五輪の成功に向け、IOC、政府、組織委、東京都が協力して捻出する必要がある。

復興の姿を示したい

 東京五輪は「復興五輪」でもある。2011年3月の東日本大震災から復興しつつある被災地の姿を世界に発信する機会ともなる。五輪が開催される来年は震災から10年の節目の年である。平和で成熟した日本の姿を示し、国際社会における存在感を高めていきたい。

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