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資金洗浄摘発 北朝鮮の制裁回避を封じよ

 制裁網をかいくぐり総額25億㌦以上ものマネーロンダリング(資金洗浄)などに関わったとして、北朝鮮の銀行元幹部ら33人が米司法省に起訴された。対北制裁違反の摘発では過去最大の規模だといい、資金の一部は核・ミサイル開発に使用されたとみられる。北朝鮮の巧妙な制裁回避を断固封じなければならない。

 海外250カ所を利用

 資金洗浄は2013年から今年にかけ、北朝鮮の外為取引銀行である朝鮮貿易銀行が中国やロシア、オーストリア、タイなどに密(ひそ)かに作った250カ所に及ぶ海外支店やペーパーカンパニーを通じて行われた。これほどまで大掛かりであったことに驚かされる。

 これに関わったのは同行の元幹部や海外支店職員ら北朝鮮人28人と中国人職員5人だ。同行は米財務省から核・ミサイル開発の資金調達ルートになっているとして制裁対象に指定され、国際金融システムから排除されていた。資金洗浄はその後に行われたもので、大胆かつ巧妙な手口と言わざるを得ない。

 米司法当局は今回の起訴について「北朝鮮が違法に金融システムに接近するのを遮断するという米国の意志を見せたもの」と述べた。また、摘発を通じ「大量殺傷兵器と弾道ミサイルの増強能力を制限する」との決意も明らかにした。

 起訴された被告たちの身柄を拘束できなければ処罰は不可能だが、今回、米国がこうした資金洗浄を取り締まる意志と能力を示した意義は大きい。

 北朝鮮による制裁逃れを厳しく取り締まる上で、米国で4月に成立した「ワームビア法」も大きな効力が期待される。北朝鮮と取引したり、その取引を助けたりした第三国の個人や金融機関を処罰する、いわゆるセカンダリーボイコットが主な狙いだ。北朝鮮が制裁回避するのに決定的役割を果たしているのが中国の金融機関と言われる。

 北の資金洗浄をめぐっては米財務省が3月、ハッカー集団による仮想通貨窃取で資金洗浄に関与した疑いで中国人2人を制裁対象に指定したこともある。

 今後も米国は北朝鮮を非核化に向かわせるため、制裁回避を可能な限り遮断しようとするだろう。北朝鮮が制裁回避の手段として多用する海上における違法な船舶間の積み替えである「瀬取り」や仮想通貨の窃取への対策も急務だ。

 北の資金洗浄への監視と追跡で日本が米国に協力を惜しむべきでないのはもちろんだが、同時に気を付けたいのが中国との金融取引だ。一昨年、取引先の中国の顧客が北の資金洗浄に関わっていた疑いで日本の大手金融グループが米司法当局から調査を受けたとの報道があった。知らないうちに資金洗浄に手を貸すような失態は避けたい。

 韓国の違反に米捜査も

 南北融和路線に執着する韓国の文在寅政権下では、北朝鮮の制裁回避に利用されるのを黙認してしまうという事態が起きないとは言い切れない。だが、仮に韓国金融機関が対北制裁違反を犯し、国内で捜査がなされなかったとしても、米司法当局が捜査できるということを韓国は肝に銘じるべきだ。

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