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五輪日程決定、コロナ禍克服と復興の大会に

 新型コロナウイルスの世界的流行(パンデミック)で延期となった東京五輪の日程が来年の7月23日から8月8日、パラリンピックは8月24日から9月5日までと決まった。前例のない延期決定から、わずか6日で決まったことを良しとし、大会成功へ向け再スタートしたい。

当初予定のほぼ1年後

 春の開催や、夏の暑さを避けるための9~10月開催案もあったが、まずは新型コロナの感染終息が前提だ。ほぼ1年後の開催とすることで、延期に伴うさまざまな問題も少なく済む。妥当な決定と言えよう。

 安倍晋三首相は「人類が新型コロナに打ち勝った証しとして、国民と共に来年のオリンピック、パラリンピックを必ずや成功させたい」と強調した。当初は東日本大震災からの「復興五輪」と位置付けられた東京五輪だが、いま人類が直面している新型コロナ克服をテーマとすることで、より人類的で歴史的な大会になる。克服を実現し、素晴らしい大会にしたい。

 一方、来年は東日本大震災から10年目を迎える。当初の「復興五輪」としての位置付けは変わらないどころか、節目の年に開催されることでその意味合いはさらに深まる。より復興した東北の姿を世界に見せたい。

 もちろん多くの課題を克服していかなければならない。日程の変更で既に来年の予定の入っている会場は使えなくなる可能性もある。その際は代わりの会場を確保する必要がある。

 約550万枚に上る販売済みの観戦チケットについては、それを有効とし、日程変更などで観戦しない人には払い戻される見通しだ。

 大会後、改修され分譲・賃貸マンションとなる選手村の一部はすでに販売されており、2023年3月には引き渡しが始まる予定だったが、入居が遅れる可能性も出てきた。

 こういったもろもろの追加の経費負担をどう分担するかが大きな課題だが、できるだけ経費を圧縮する方向で話し合いを進めるべきだ。

 日程が決まったことを誰よりも喜んでいるのは参加を目指すアスリートたちだろう。日本の約600人の代表選手のうち約100人が内定している。来年へ向けスケジュールを調整し、最高のコンディションで臨めるよう頑張ってほしい。これから代表選考を行う競技については、新型コロナの終息が見えない限りスケジュールも立てにくい。終息の状況を見極め、選手の健康を第一に考えるべきだ。

 延期のデメリットは大きい。しかし、メリットも全くないわけではない。ほぼ同じ季節となったことで準備してきた夏の暑さ対策はそのまま生かせるし、この夏に暑さ対策の予行演習をすれば、万全を期すことができるだろう。感染予防対策をさらに練る時間もできた。

聖火は「希望の灯火」

 聖火が福島県に保管されることも意味がある。首相は「この聖火こそ今まさに私たちが直面している暗く長いトンネルの出口に人類を導く希望の灯火だ」と述べた。聖火が日本国内で燃え続けていることを意識しながら、新型コロナ克服への戦いと復興の歩みを続けていきたい。

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