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米「台北法」成立、中国の外交圧力に対抗せよ

 トランプ米大統領が「台湾同盟国際保護強化イニシアチブ法案(台北法案)」に署名し、法案は成立した。「台北法」は、台湾を支持する国との関係を強化する一方、中国の圧力に屈して台湾と断交する国が拡大するのを防ぐことを目的とする。

 台湾の国際機関加盟支援

 法案は上下両院で全会一致で可決された。同法は5条から成り、4条では台湾の国際機関への加盟やオブザーバー資格での参加を支援すべきだと強調。新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、台湾は「一つの中国」原則を主張する中国の圧力で世界保健機関(WHO)から排除されている。今後、米国が各国への働き掛けを活発化させることが予想されるが、台湾のWHO加盟実現を期待したい。

 5条では、米国が台湾の外交関係やインド太平洋地域などの国々とのパートナーシップ強化を支援すると定めた。海洋進出を強める中国を念頭に、日米やインド、オーストラリアなどが進めるインド太平洋戦略の核として台湾が浮上したと言える。

 すでに米国は2018年3月に「台湾旅行法」を成立させており、台湾の蔡英文政権を間接的に支援してきた。同法は、米国と台湾の高官往来を法的に裏付けるものだ。

 中国は蔡政権を国際的に孤立させようと、台湾と関係のある国に対する外交圧力を強化している。蔡氏が総統に就任した16年5月の時点で台湾と外交関係を持つ国は22カ国あったが、中国の圧力で次々と断交し、中国と国交を樹立している。米国は台湾との連携を強め、支えることが求められる。

 中国の習近平国家主席は昨年年頭、台湾統一に向け「武力使用を放棄することは承諾できない」と強硬姿勢を示す一方、香港と同様の「一国二制度」で統一を目指す方針を打ち出した。

 しかし香港では、習政権による政治的締め付けで「高度な自治」を保障するはずの一国二制度が形骸化している。習氏の発言を受け、蔡氏が「われわれは一国二制度を絶対に受け入れない」と断固拒否する意向を表明したのは当然だ。

 米国では昨年11月、香港デモへの対応で中国を牽制(けんせい)する「香港人権・民主主義法」が成立した。その後、ウイグル族への弾圧に対応を求めるウイグル人権法案や、チベット族の人権や信教の自由を擁護するチベット人権法案が議会を通過している。

 中国は台湾や香港、ウイグル、チベットを、共産党一党独裁体制を維持するために絶対に譲歩できない「核心的利益」だとしている。米国をはじめとする全ての民主主義国家は、自由、人権、法の支配などの普遍的価値観を守るため、中国の覇権主義に対抗する必要がある。

 「日本版台湾関係法」を

 1979年1月に中国と国交を結んだ米国は、同年4月に「台湾関係法」を制定して、台湾との既存の法的関係を継続させた。東アジアの急激な軍事バランスの変化を防ぐためだ。

 中台統一が実現されれば、日本は重大な脅威にさらされることになる。政府は日米台の連携強化に向け、台湾との防衛協力などを定めた「日本版台湾関係法」の制定を検討すべきだ。

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