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新型ウイルス 身勝手極まる中国の責任転嫁

 新型コロナウイルスの感染拡大をめぐって、発生源である中国に責任転嫁の姿勢が目立つ。

外務省が「米軍持ち込む」

 中国の習近平国家主席は今月発行の共産党理論誌「求是」で、湖北省武漢で発生した新型ウイルスについて「病原体がどこから来たのか、はっきりさせなければならない」と主張。中国外務省のスポークスマンは「武漢にウイルスを持ち込んだのは米軍かもしれない」とツイッターに書き込んだ。

 だが、感染拡大の原因が中国当局の情報隠蔽(いんぺい)と初動の遅れであることは明白だ。新型ウイルスは昨年12月1日には武漢で感染が確認されていたが、習氏が「蔓延(まんえん)阻止」を指示したのは今年1月20日である。

 新型ウイルスの感染者は全世界で70万人近くに達し、死者は3万人を超えた。極めて深刻な事態であるにもかかわらず、謝罪するどころか、感染拡大の責任を他国に押し付けようとする中国の姿勢は極めて身勝手だ。

 責任転嫁だけではない。中国国営新華社通信は、中国の感染拡大防止の措置について「世界は中国に感謝すべき」と題する記事を配信した。自分たちが感染を広げたことを棚に上げ、人類の生命と健康を守るために先頭に立っているかのような態度だ。しかし、この記事を読んで納得する読者がいるだろうか。

 一方、ポンペオ米国務長官は先進7カ国(G7)外相のテレビ会議で、新型ウイルスを「武漢ウイルス」と呼ぶよう求めた。中国は猛反発しているが、発生源が武漢であることは明白だ。まさに「武漢ウイルス」ではないか。ただG7外相会議では、ポンぺオ氏の主張を各国が受け入れず、共同声明の発表が見送りとなったことは残念だ。

 習氏はトランプ米大統領との電話会談で「流行性疾病は国境や人種に関わりなく、人類共通の敵だ」と述べ、発生源の特定に否定的な考えを表明。さらに「中国は終始、オープンかつ透明性を持った責任ある態度で米国など関係国に感染情報を通報した」などと主張した。こうした責任逃れの姿勢が決して容認できないのは当然だが、中国の国際社会との情報共有に関しては懸念すべき点もある。

 中国では検査で陽性となっても症状がなければ感染者にカウントしない方針を取っている。2月末時点の中国の感染者は公式発表では約8万人だが、これら無症状者を含めると12万人を超えていた計算となる。

 習氏は今月、武漢市を視察した際に「ウイルスの蔓延、拡散の勢いは基本的に抑え込んだ」と述べたが、果たして本当なのか。1月23日から実施していた武漢市の封鎖措置も4月8日には解除される予定だが、感染が再び広がる恐れもある。

未知の感染症に備えよ

 新型ウイルスの感染拡大は、中国共産党の一党独裁体制における硬直した官僚組織がもたらしたと言える。情報隠蔽は2002~03年に大流行した重症急性呼吸器症候群(SARS)の際にも行われた。

 新型ウイルスが収束しても、中国が同じ過ちを繰り返して新たな感染症が拡大することも想定せざるを得ない。各国は未知の感染症に備える必要がある。

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