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天皇陛下御還暦 令和の新時代の象徴として

 天皇陛下はきょう、60歳の誕生日を迎えられた。心からお祝いを申し上げたい。還暦となられ、円熟期を迎えられる陛下とともに、われわれ国民も令和を日本の成熟時代として輝かすために努力していきたい。

台風の被災地御訪問

 昨年5月に皇位に就かれた陛下は、近代では最高齢の御即位である。しかしその分、皇太子として御公務、海外御訪問などの経験も多く積まれてきた。還暦をお迎えになったことについて「もう還暦ではなく、まだ還暦という思いでおります」と記者会見で語られた。お務めへの強い意欲と、気力体力の充実がうかがわれるお言葉だ。

 御即位後初の記者会見では、この10カ月を振り返られて「一つ一つの公務に真摯(しんし)に向き合い、心を込めて大切に務めを果たすべく努めてきた。天皇の公務の重みと、それらを行うことの大切さを感じている」と述べられた。宮中祭祀(さいし)とともに国会召集など国事行為が最も重要なお務めの一つだが、御即位後に決裁された内閣からの書類は790件に上る。

 地方にも多く足を運ばれた。皇太子時代には東日本大震災の被災地の東北各県にお見舞いに行かれた天皇、皇后両陛下だ。昨年の台風19号発生後は早期の被災地御訪問を希望され、12月に宮城県と福島県に行かれて被災者を励まされた。会見では改めて「上皇陛下のこれまでの歩みに深く思いを致し、歴代の天皇のなさりようを心にとどめ、研さんを積み、常に国民を思い、国民に寄り添いながら、象徴としての責務を果たすべくなお一層努めていきたい」と語られた。

 戦後の苦難の時代を常に「国民と苦楽を共にする」姿勢を貫かれた昭和天皇。平成の時代には上皇陛下が、さらに国民に寄り添う姿勢を示された。このような姿勢を天皇陛下がさらに深めようとされていることは、ありがたいことである。

 これに対し、国民も天皇、皇后両陛下への敬愛の情をもってお応えする関係となっているのは、今年の御即位後初の新年一般参賀に、6万8000人もの人々が訪れたことにも表れている。「たくさんの方々からいただいた祝福の気持ちを糧に」と陛下御自身が語られている。

 御即位後2年目の今年は、重要な行事が控えている。英国御訪問が決まり、4~6月をめどに調整が進んでいる。わが国皇室と英王室は歴史的にも関係が深く、両陛下とも英国留学を経験されている。とりわけ天皇陛下は、留学の思い出を大切にしておられる。英王室や国民との親善を深めていただきたい。

 7~9月の東京五輪・パラリンピックでは名誉総裁を務められ、それぞれ開会宣言をされる。陛下も60年間の思い出深い出来事として昭和39年の東京五輪を挙げておられるが、昭和天皇が開会宣言された五輪以後、昭和の全盛時代を迎えた。令和の新時代の幕開けとなるような大会となることを期待したい。

皇室を戴くことへの感謝

 陛下が積み重ねてこられた国際親善の土台の上に、これまで以上に日本皇室の存在感を示す時代となっている。われわれ国民も、皇室を戴(いただ)くことへの感謝の気持ちを新たにしたい。

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