ワシントン・タイムズ・ジャパン

芸能人薬物事件 芸能界は根絶に立ち上がれ

 人気女優の沢尻エリカ容疑者が麻薬取締法違反容疑で逮捕された。違法行為は厳しく問われなければならないが、個人の問題として片付けるのではなく、芸能事務所やタレントを出演させるテレビ・映画業界が薬物検査を実施するなど、乱用撲滅に向け積極的な対策を打ち出すことを促したい。

 沢尻エリカ容疑者を逮捕

 沢尻容疑者の逮捕容疑は自宅で合成麻薬MDMAを所持していた疑い。「10年以上前から違法薬物を使っていた。これまでに大麻やMDMA、LSD、コカインを使用したことがある」と供述しており、常習的に手を染めていた可能性がある。

 MDMAには興奮や高揚感、知覚の異常など覚醒剤と似た作用があるが、小さな錠剤で水で飲める。人生を破滅させる“魔薬”のイメージとは懸け離れた形状であることから、若者がクラブやイベントで安易に乱用するケースが後を絶たない。

 また、別名「エクスタシー」と呼ばれていることでも分かるように、性的興奮を高めるために摂取されることもある。さまざまな薬物が混ぜ込まれたものも出回っており、死に至ることのある危険な薬物だ。10年前には、東京・六本木のマンションで芸能人と一緒に乱用したホステスが死亡する事件が起きた。

 今年は大物芸能人や有名人の薬物事犯が特に頻発している。3月には元俳優でミュージシャンのピエール瀧氏が麻薬取締法違反容疑で(懲役1年6月、執行猶予3年の有罪判決)、5月にはアイドルグループ「KAT-TUN」の元メンバー田口淳之介氏が大麻取締法違反容疑で(懲役6月、執行猶予2年の有罪判決)摘発された。

 今月には、元タレント田代まさし容疑者が覚せい剤取締法違反容疑で、スノーボード元五輪代表の国母和宏容疑者が大麻取締法違反容疑でそれぞれ逮捕された。田代容疑者は薬物絡みでは5回目の逮捕で、一度薬物の“罠(わな)”にはまると抜け出すのがいかに難しいかを示している。

 沢尻容疑者逮捕のきっかけとなったのは、同容疑者が「クラブで薬物を受け取ったり、使用したりしている」との情報が警視庁に寄せられたことだ。このクラブは他の芸能人も出入りしていると言われ、こうした交友関係が薬物汚染を広げる要因になっているようだ。社会常識を身に付けないまま若くして芸能活動に入る場合が少なくない一方、いつ人気が落ちるともしれない業界で絶えず不安を抱えているなどの心理的要因もある。

 沢尻容疑者は10年前、所属していた事務所を解雇された。当時は「重大な契約違反」と説明されたが、薬物絡みとの報道もあった。今回の逮捕で、それが事実だった可能性が強まったわけで、当時の事務所の対応に甘さはなかったのか。疑惑がある芸能人を出演させるテレビ局や映画会社の責任も問われよう。

 検査を出演の条件に

 芸能人の社会的影響力は大きい。ドーピング検査を受けることがアスリートの責務となっているように、違法薬物検査をテレビ・映画出演の条件とすべきではないか。抜き打ち検査を行うくらいでなければ、芸能人の薬物乱用は撲滅できまい。

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