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ラグビーW杯、さらなる高みを目指したい

 ラグビーの第9回ワールドカップ(W杯)日本大会は、決勝で南アフリカがイングランドを下して優勝し、44日間の熱戦に幕を下ろした。

日本が初の8強入り

 日本は1次リーグA組で4戦全勝で1位となり、初めてベスト8に進出するという悲願を果たした。強豪のアイルランド、スコットランドを破っての8強入りは、ファンを熱狂させ、大会を大きく盛り上げた。

 2015年の前回イングランド大会では、優勝候補の南アから大金星を挙げるなど3勝1敗と躍進。それでも勝ち点の差で8強入りはできなかった。

 今回はその無念を晴らしただけでなく、さらなる飛躍を遂げたと言っていい。準々決勝では南アに敗れたが、試合後に日本のリーチ主将は「このチームを誇りに思う」と語った。

 ジョセフ・ヘッドコーチ(HC)は、相手と体をぶつけ合う上で基本となる肉体的強さと高い技術を、選手たちに徹底的に身に付けさせた。アイルランド戦やスコットランド戦では、タックルの正確さ、スタミナ、スピードなどで相手を上回った。23年のフランス大会に向け、さらなる高みを目指してほしい。

 課題もある。日本は1次リーグと準々決勝の5試合で、先発の入れ替えは最小限にとどめ、ほぼ固定されたメンバーで戦った。このため疲労が蓄積し、南ア戦では本来の実力を発揮できなかった。ベスト4以上を目指すには、戦力に厚みを持たせることが欠かせない。

 今大会の観客数は、台風で中止となった3試合を除く45試合で計170万4443人に達し、1試合平均では3万7877人となった。決勝は横浜国際総合競技場で行われたスポーツイベントとしては最多となる7万103人を集め、チケットは全体の99%を超える約184万枚が売れた。

 日本の活躍もあって集客面では大きな成功を収めたと言えよう。ラグビーの国際統括団体ワールドラグビー(WR)のビル・ボーモント会長は「日本でのW杯は、記憶に残る最も偉大な大会となった」と話し、アジア初開催の今大会を高く評価した。

 大会組織委員会は、大相撲の土俵入りをイメージして選手入場直前に拍子木を打ち鳴らし、試合の合間には三三七拍子のリズムで観客に拍手を促すなど、訪日客を念頭に置いた演出を行い、訪日客にも好評だった。

 ただ台風による試合中止は、安全最優先のためにやむを得なかったとはいえ、1次リーグ突破の可能性を残していたイタリアがこの措置で敗退が決まるなど、すっきりしない結果となったことも確かだ。

 試合中止は、1987年から始まったラグビーW杯で初めてのことだ。地球温暖化による気候変動が、大規模なスポーツイベントの運営にも影響を与えるようになった。来年の東京五輪・パラリンピックに向けて大きな課題となろう。

裾野拡大への取り組みも

 今大会が大きな盛り上がりを見せた一方、ラグビーの国内の競技人口は今年、過去最少の約9万5000人となった。大会をきっかけに裾野の拡大にも取り組みたい。

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