ワシントン・タイムズ・ジャパン

台風19号通過、未曽有の災害への備えを常に

 大型で強い台風19号は東日本の広範囲にわたって大きな爪痕を残した。記録的な大雨で千曲川や多摩川などが氾濫し、浸水被害が相次いだほか、土砂崩れも起きている。

 時事通信の集計によれば、死者は30人以上に上っている。行方不明者も出ており、警察や消防、自衛隊は捜索に全力を挙げるべきだ。

13都県に大雨特別警報

 関東甲信や東海、東北は記録的な大雨と暴風に見舞われ、一時は13都県に大雨特別警報が発令された。これは昨年の西日本豪雨の11府県を上回る。

 12日午後8時までの24時間雨量は、神奈川県箱根町で942㍉、静岡県伊豆市で717・5㍉など、いずれも観測史上1位を記録。各地で年間降水量の3割から4割に当たる雨がわずか1~2日で降るというすさまじさだった。

 国土交通省によると、20本以上の河川で堤防が決壊。被災地では警察や消防、自衛隊が11万人を超える態勢で捜索、救助に当たったほか、国交省はポンプ車140台で排水作業を進めた。しかし水が引いていない所もあり、被害の全容は判明していない。

 長野市では千曲川の堤防が約70㍍にわたって決壊し、地上から約2㍍の高さまで浸水して周辺の住宅地などに濁流が流れ込んだ。自衛隊が市内の特別養護老人ホームなどで孤立状態となった計数百人の救助活動に当たった。

 一方、浸水被害を受けた福島県いわき市では、消防ヘリで救助中の77歳女性を誤って約40㍍落下させ、死亡させる事故が起きた。女性の体に付けた救助装置のフックがワイヤに接続されていなかったことが原因だというが、孤立した被災者は救助に来る自衛隊や消防などが頼りだ。その信頼を損なった責任は重い。猛省し、再発防止を徹底しなければならない。

 今回は過去最強クラスの台風が首都圏を直撃した。首都圏や東海では鉄道各社の計画運休が実施され、航空各社も多くの空の便を欠航。コンビニエンスストアも数千店規模で休業したほか、郵便物や宅配便の集配業務もストップするなど住民生活に大きな影響を及ぼした。

 こうした措置はやむを得ないものではあったが、外国人観光客には計画運休などの情報が伝わりにくかったようで、駅で困惑する外国人の姿も目立った。来年の東京五輪・パラリンピックを控える中、訪日客への効果的な情報発信は大きな課題だと言えよう。

 地球温暖化の影響で、これまでの常識では考えられないような豪雨や強風が日本のどこで生じてもおかしくない。被害を極力抑えられるように対策を検討する必要がある。

 今回の台風で避難指示や避難勧告の出し方が適切だったかも検証すべきだ。それとともに、私たち一人一人が災害時にどのような避難行動を取るかを常に考え、備えておくことが求められる。

土砂災害に十分警戒を

 大雨の影響で、被災地では現在も地盤が緩んでいる地域がある。土砂災害に十分警戒しなければならない。

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