ワシントン・タイムズ・ジャパン

北ミサイル、抑制的対応で増長させるな

 北朝鮮が東部の江原道通川付近から日本海に向けて2発の飛翔体を相次いで発射した。米韓合同軍事演習を実施中の韓国に不満を示す狙いとみられる。

 北朝鮮は7月末から6回にわたって新型短距離弾道ミサイルなどの飛翔体の発射を強行している。危険な挑発行為は決して許されない。

韓国との対話を拒否

 朝鮮中央通信によれば、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長は「新兵器」の試射を視察した際に「先端兵器開発の成果は国防工業発展史に前例のない奇跡的な勝利だ」と強調。国防科学研究部門などが過去3年間で「核戦争抑止力を自身の手につかんだ」と述べ、国防力強化を進めていくべきだと訴えた。

 しかし北朝鮮の弾道ミサイル発射は、射程にかかわらず国連安保理決議に違反するものだ。身勝手な「新兵器」の試射は断じて容認できない。

 それにもかかわらず、トランプ米大統領は米本土に届かない短距離弾道ミサイルの発射を問題視していない。このため、首相官邸は「トランプ氏が容認している以上、騒いでも北朝鮮は変わらない」(関係者)と歩調を合わせている。

 だが、北朝鮮が発射しているのは短距離ミサイルとはいえ、韓国全域と日本の一部を射程に収めている。首相官邸の対応は危機感に欠けていると言わざるを得ない。正恩氏は10日ほど前にトランプ氏に送った書簡で、短距離ミサイル発射に「わずかな謝罪」を行い、8月20日の米韓演習終了後に発射を停止する意向を示している。トランプ氏は来年の大統領選に向け、正恩氏との対話継続を外交実績としてアピールするため、北朝鮮を刺激しまいとして発射を容認している面もあろう。

 とはいえ、北朝鮮が日本や韓国をミサイルで攻撃すれば、日韓に駐留する米軍にも危険が及ぶ。米国の同盟国である日韓両国が被害を受ければ、米国の世界戦略にも悪影響を与えよう。何よりも米国は安保理の常任理事国であり、安保理決議違反の行為に目をつぶっていたのでは示しがつかないのではないか。抑制的な対応で、これ以上北朝鮮を増長させてはならない。

 一方、北朝鮮の祖国平和統一委員会報道官は、米韓演習を非難する談話を発表し、韓国とは「これ以上話すこともなく、二度と向き合う考えもない」と表明。韓国の文在寅大統領は日本統治からの解放を記念する「光復節」の演説で、米朝対話が進めば「南北関係も大きな進展を遂げる」と語っていたが、北朝鮮は韓国との対話を拒否した。

 トランプ氏に対する友好的な姿勢とは対照的だ。対北融和姿勢を強める文政権が、歓心を買うため、さらに北朝鮮に傾斜することで、安全保障面での日米韓の連携に亀裂が入らないか懸念される。

日米韓は連携強化を

 北朝鮮の脅威に対処するには、日米韓の防衛協力が欠かせない。日米韓3カ国は北朝鮮に対する経済制裁など最大限の圧力を維持するとともに連携を強化する必要がある。

 このためには、冷却化している日韓関係の改善も急がなければならない。

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