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熱中症予防、命守るための適切な備えを

 梅雨明け後の猛暑で、熱中症による死者や搬送者が急増している。7月には「梅雨寒」が続き、体が暑さに対応できていないためだ。

 これからも暑さは続く。命を守るための適切な備えが求められる。

「2階建て」の高気圧

 猛暑は、真夏の暖気を運ぶ太平洋高気圧が日本付近に張り出し、その上層では大陸からのチベット高気圧に覆われたのが要因だ。「2階建て」の高気圧によって日差しが強まっている。

 35度以上の猛暑日地点は九州から北陸にかけて梅雨明けが発表された7月24日から増え始め、8月2日には全国観測点の4分の1を占める236地点に上った。4日に37・5度を観測した京都市は、1週間連続で猛暑日となった。

 総務庁消防庁によれば、7月1日以降の全国の熱中症による死者は23日まで1人だったが、24日からの5日間で11人に急増した。8月に入ってからも20人以上が亡くなっている。7月28日までの1週間の搬送者数も前週の約3倍に上るなど被害が広がっている。

 7月は日照時間が平年を30~50%下回る「梅雨寒」となった。だが7月下旬から気温が急上昇したため、体が暑さに十分に対応できないことが熱中症患者急増の原因となっている。

 熱中症は、高温多湿の環境の中で体温調節がうまくできなくなり、体内に熱がこもってさまざまな症状が出ることをいう。初期の症状は立ちくらみや手足のしびれなどだが、悪化すると頭痛や吐き気などの症状が表れ、さらに重症になると意識障害などが起こって最悪の場合は死に至る。

 こうした事態を避けるには、普段からの備えが重要となる。予防には、喉の渇きを感じなくても、小まめに水分や塩分を補給することが大切だ。外出時には日傘や帽子などを活用し、室内ではエアコンで室温を調整することも欠かせない。

 特に注意しなければならないのは、暑さや喉の渇きを感じにくく、汗をかく機能が衰えている高齢者や、体温調節機能が未発達の子供だ。周囲の見守りが求められる。

 猛暑は、台風8号が九州付近に進むと予想される6日ごろで一段落する見通しだ。ただ、北海道と東北以外では7日以降も30度以上の真夏日が続く所が多いとみられ、気象庁は引き続き熱中症に注意するよう呼び掛けている。油断せずに、予防に努めたい。

 厳しい暑さは来年以降も予想される。特に来年は、東京五輪・パラリンピックが開催され、多くの外国人が日本を訪れる。高温多湿の日本の気候に慣れない外国人は熱中症を発症するリスクも大きい。

外国人への情報発信も

 外国人の中には 熱中症についてよく知らない人もいる。政府はインターネット交流サイト(SNS)やリーフレットなどあらゆる手段で情報発信に努め、119番通報時の多言語対応や救急現場で使う翻訳アプリも導入した。

 外国人を熱中症から守るため、さらにさまざまな工夫を加えてほしい。

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