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米台関係、地域の安定へ対中牽制を

 トランプ米政権は戦車108両と防空ミサイルなど総額22億㌦(約2400億円)相当の装備品を台湾に売却することを承認した。売却されるのはM1A2エイブラムス戦車や携行式地対空ミサイル「スティンガー」など。台湾は中国に対抗するため軍備近代化を急いでおり、今回の売却も近代化支援の一環とみられる。

軍事的圧力強める中国

 一方、中国は「国際法や『一つの中国』原則、中米共同声明への重大な違反であり、中国の主権と安全を害するものだ」と武器売却を批判。関与した米国企業に制裁を科す方針を明らかにした。

 だが、中国が台湾への軍事的圧力を強めていることは看過できない。3月には中国軍の戦闘機が、中台の実質的な軍事境界線である台湾海峡の中間線を越え、台湾側に侵入。6月には、空母「遼寧」などの艦隊が台湾を周回航行するなどの動きを見せている。

 中国の習近平国家主席は「一国二制度」による台湾統一に向け、武力行使も排除しない強硬な姿勢を示している。これに対し、台湾の蔡英文総統は一国二制度を拒否する考えを表明している。

 香港では中国の政治的締め付けが強まり、一国二制度が形骸化した。「一国」は「二制度」に優先するというのが習氏の主張だが、都合のいい解釈だと言わざるを得ない。

 香港では、容疑者の中国本土への移送を可能にする逃亡犯条例改正に反対する大規模デモも起きている。このような現状を見れば、台湾が中国に反発するのは当然だ。

 一方、台湾を支援する米国は「自由で開かれたインド太平洋に対する関与を示すもの」として米軍艦艇の台湾海峡通過を繰り返している。地域の安定に向け、米国が台湾との関係を強化し、中国を牽制(けんせい)することは極めて重要だ。

 蔡氏は今月、カリブ海諸国歴訪の際に米国を経由し、ニューヨークでは外交関係を結ぶ17カ国の国連大使らを一堂に集めた会合に出席した。会合は領事館に相当する台北経済文化弁事処で行われたが、総統府によると、台湾総統が米国の出先機関で公式な外交行事に出席するのは初めてのことだ。

 これまで台湾の歴代総統は「一つの中国」原則を尊重する方針を維持する米国に配慮し、同国内では表だった外交活動を控えてきた。蔡氏が今回、慣例を破ることができたのは、トランプ政権が中国への対決姿勢を強めていることが大きいと言えよう。

 米国は昨年、台湾と断交し、中国と国交を結んだカリブ海の島国ドミニカ共和国、中米のエルサルバドル、パナマの3カ国に駐在する大使や臨時代理大使を召還した。中国は台湾と国交を持つ国への経済支援を通じ、台湾を国際的に孤立させようとしているが、米国はこれに対抗する措置を取った形だ。

日本は関与を強めよ

 台湾と日本は地理的に近く、台湾有事が日本にも飛び火することは避けられない。日本は米国と連携し、台湾への関与を強化していく必要がある。

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