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北方領土の日、4島一括返還へ全力尽くせ

 34回目の「北方領土の日」を迎えた。わが国固有の領土である択捉島、国後島、歯舞群島、色丹島が第2次大戦の終戦前後に旧ソ連に不法占拠され、その状態が現在も続いている。安倍晋三首相はきょう開催の北方領土返還大会でロシアに改めて抗議するとともに、4島一括返還に向けた強い決意を明確にすべきだ。

 昨年4回の日露首脳会談

 日本の敗色が濃厚だった1945年8月9日、ソ連は当時有効だった日ソ中立条約を破り、日本に対し一方的に宣戦布告した。ソ連は圧倒的な兵力を投入して、日本がポツダム宣言を受諾し終戦を迎えた8月15日以降も侵攻を続けた。

 そればかりか、旧日本軍人や民間人ら約60万人を国際法に違反してシベリアに抑留し、飢餓や酷寒の中での過酷な強制労働に従事させて約6万人を死に至らしめた。このような不当な歴史的事実を不問に付し、ロシアが北方領土を不法占拠したままでの日露平和条約締結はあり得ない。

 安倍首相は一昨年末の政権発足以来、立て続けにロシアのプーチン大統領との首脳会談を行い、閣僚級の人的交流も活発化させてきた。昨年は4月、6月、9月、10月と4回もの首脳会談を行った。また、11月には日本とロシアが初の外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)を開催した。

 安倍首相はきょう、北方領土返還大会に出席したのち、ロシアのソチに向け出発する。同日開幕する冬季五輪の開会式に出席し、8日のプーチン大統領との会談では、北方領土問題について今後の交渉の進め方などを協議する予定だ。

 今回の訪露に関し安倍首相は6日の参院予算委員会で「信頼関係が醸成されて初めて、平和条約交渉のような難しい課題でお互いに胸襟を開き、2人のリーダーは歴史的使命をどう果たしていくべきかという議論が可能になる」と語った。

 安倍首相が述べたように、日露の大きな隔たりを埋めるには両首脳が信頼関係を強め、トップダウンによる解決を図るしかない。

 無論、したたかなロシア相手に焦りは禁物である。これまでわが国は「経済協力の進展が領土問題解決の環境をつくる」(ラブロフ外相)というロシア側のペースに巻き込まれ、領土問題が進展しない一方でさまざまな経済協力のみが拡大する事態を招いてきた。

 これら経済協力は、何の結果ももたらさなかった。ラブロフ外相は一昨年の日本メディアのインタビューで「(4島は)第2次大戦の結果、法的根拠に基づきロシア領となった」として、その「現実」を認めるよう要求したのだ。

 重要な首脳同士の関係

 このような経緯があるとしても、4島の返還はロシアとの交渉を通じてのみ実現することができる。そして、首脳同士の信頼関係が重要であることに変わりはない。

 安倍首相はロシアのペースに巻き込まれることなく、日露対話のチャンネルを広げ、4島返還に向けた領土交渉を進めるべきだ。

(2月7日付社説)

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