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中国海警局、尖閣周辺の活動強化に警戒を

 中国共産党は、沖縄県・尖閣諸島沖の日本領海に船舶を侵入させるなどの活動を行っている中国海警局(海上保安庁に相当)を準軍事組織である人民武装警察部隊(武警)に編入することを明記した「党・国家機構改革案」をまとめた。

 武警は中央軍事委員会の指揮下にある。海警局が海軍と連携し尖閣周辺での活動を強化することを警戒する必要がある。

 機構改革で武警に編入

 中国は尖閣の領有権を一方的に主張し、尖閣周辺では海警局の船舶による領海侵入が繰り返されているほか、今年1月には中国海軍の潜水艦とフリゲート艦が接続水域に進入した。尖閣はわが国固有の領土であり、こうした主権侵害や挑発行為は決して容認できない。

 海警局は2013年の政府機構改革で国家海洋局に設置された。13年時点の総員は約1万6000人で、武器を含む装備の充実や船舶の大型化を進めた。一方、中央軍事委は軍の最高指導機関で、習近平国家主席がトップを務める。今回の機構改革は、党による中央集権体制を整備する狙いがある。

 中国の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)では、憲法が改正されて「2期10年」だった国家主席の任期制限が撤廃され、前文に習氏の名前を冠した指導思想を明記するなど、習氏の「一極集中体制」が強まった。習氏の権力基盤強化が、中国の尖閣周辺での活動活発化につながることが懸念される。

 中国は尖閣のある東シナ海だけでなく、南シナ海やインド洋でも強引な海洋進出を行ってきた。南シナ海では人工島造成や軍事拠点化を進め、南シナ海での中国の主張を退けた16年7月の仲裁裁判所判決も「紙くず」と切り捨てて力による現状変更を強行。インド洋では、国境問題で対立するインドを取り巻くように拠点を整備する「真珠の首飾り」戦略を推進するなど覇権主義的な動きが目立つ。

 中国の李克強首相は、5月に日本で開催予定の日中韓首脳会談に出席する意向を示している。訪日が実現すれば、13年の就任以来、初めてとなる。

 今年が日中平和友好条約締結40周年に当たることから、安倍晋三首相が中国のシルクロード経済圏構想「一帯一路」に協力姿勢を示すなど、日本でも中国との関係改善を目指す動きが見られる。だが、一帯一路をめぐっては中国の覇権拡大が懸念されている。日本は中国の「強国路線」に手を貸すことがあってはならない。李氏が訪日した際には、尖閣問題で厳しく抗議する必要もある。

 一方、安倍首相はアジアからアフリカに至る地域の安定と成長を目指す「自由で開かれたインド太平洋戦略」を提唱し、米国やオーストラリア、インドなどと共に中国を牽制(けんせい)する構えも見せている。自由と民主主義の価値観を共有する国々が連携し、中国の影響力拡大に対処することは重要だ。

 実効支配を強化せよ

 これまで尖閣周辺で活動する海警局の船舶には海保が対応してきたが、今後は海保と海上自衛隊の一層の連携強化が求められよう。公務員常駐など尖閣の実効支配も強めるべきだ。

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