«
»

中国抑圧体制「ナチス以上」

民族主義とデジタル監視で構築
米亡命の元共産党員警告

ビル・ガーツ氏

ビル・ガーツ氏

 中国共産党中央党校の蔡霞・元教授は、米シンクタンク、フーバー研究所で発表した論文で、習近平国家主席が指導する中国共産党政権は、民族主義とデジタル監視システムに支えられた「新全体主義」だと主張、ウイグル族など少数派への弾圧は、ナチス・ドイツ以上だと強く非難した。

 蔡氏は論文「中国共産党から見た中米関係-内部からの視点」で、中国の全体主義体制は「イデオロギーと激しい弾圧の組み合わせ」を基にしており、その支配は監視カメラなどデジタル技術を監視と抑圧に取り入れることで「新次元」を迎えたと指摘。習体制下の中国は「米国にとってさらに危険な敵国」になったと警告した。

 蔡氏によると、中国共産党の政策の主要目的は、一党支配の維持であり、米国は、中国共産党の性格、長期的な目標をまったく理解してこなかったと主張。それにもかかわらず米国は、「非現実的な夢を抱き」、共産党支配下の中国が「自由で、民主的で『責任ある』大国」へと変わっていくことを望んだと歴代米政権の対中政策を非難した。

 バイデン政権の対中政策については、関係改善を目指しているが、「考えが甘いというほかない」と一蹴、「中国で政治的変化が見られるという指摘があるが、中国がより洗練された、高度な新全体主義へと変わったことを理解していない」と強調している。

 習氏は中国共産党創立100周年を記念する演説で、「マルクス主義は、わが党と国家の基本的な指導理念、党の魂、大義であり、その下で中国は発展する」と主張、1980年代に採用された改革開放路線に基づく体制は、強固なマルクス主義体制へと移行すると訴えた。

 その上で習氏は、「中国を脅し、圧力をかけ、従わせようとする外国勢力は、中国人民14億人の鉄の長城の前に、頭を打ち砕かれ、血を流すことになる」と対決姿勢をあらわにしている。

 蔡氏は、体制が違う米国と中国はいずれ「対立し、衝突する」と主張。習政権について、強力な監視能力を獲得し、かつてのナチス・ドイツやソ連を超える抑圧的な体制が出来上がったと警鐘を鳴らす。

 蔡氏は、習氏の極端なナショナリズムはナチス・ドイツの民族主義に基づく体制に似ているとみている。「中国共産党には漢民族の優越という考えが以前から浸透している。その考えを基に、新疆、チベット、内モンゴルの民族的少数派に対する文化的ジェノサイド(集団虐殺)が実行されてきた」と訴えた。

 中国共産党の高級幹部の子弟「太子党」の一員として、恵まれた環境にあった蔡氏だったが、習氏には批判的で、政治的自由を主張、最終的に中国共産党と決別し、2019年に米国に移住した。20年8月に党籍を剥奪されている。

12

コメント

コメントの書き込み・表示するにはログインが必要です(承認制)。

コメント

コメントの書き込み・表示するにはログインが必要です(承認制)。