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共産党の衆院選敗北 葛藤生む立憲民主との共闘

共闘叫び独自の運動

 今回の総選挙で、日本共産党は議席を21議席から12議席へと後退させた。注目すべきは、共産党の獲得した約440万票というのは、共産党の強固な組織票である、革新懇(平和・民主・革新の日本をめざす全国の会)の会員数である450万とほとんど変わらないことである。

 革新懇は、共産党および全労連、新婦人の会など共産党と縁の深い団体で構成され、共産党の強固な組織票になっている。それ以外の一般国民、無党派層は、衆院選比例区でほとんど共産党に投票していないとも考えられる。

 そのため、共産党中央常任委員会は、選挙後の声明で、「第一は、日本共産党の綱領、歴史、理念をまるごと理解してもらい、共産党をまるごと支持してもらえる方を広げていく活動を抜本的に強めることです」と述べた。独自の拡大運動の強調である。

 一方、志位委員長は「市民と野党の共闘を、さらに進めていきます」と強く訴えている。すべての党員に対して、「本気で共闘に取り組むように」と訴えている。しかし、今回の総選挙で、共産党が大きく後退したのは事実である。もし、立憲民主党が結党した時に、共闘勢力の一本化のため、全国67の小選挙区で予定候補者を降ろす決断をしなかったら大きく後退はしなかったのではないかという声が上がって当然であろう。

 かつて、東京、大阪、京都などに共産党を与党とする「革新」自治体が誕生したが、途中から共産党は、社会党員の首長は支持しないと路線を変更した。共産党が応援しても、社会党が利益を得るだけだからであった。今回、立憲民主党と共闘を進めていく党中央の方針に、疑問の声が上がるかもしれない。

 希望の党に民進党が合流を決めた時に、志位委員長が裏切り行為として厳しく非難したとか、選挙の直前に立憲民主党が結成された時に共産党がいち早く小選挙区で候補者を取り下げたとか、重要な決定があったが、きちんと共産党内部で会議が行われたうえでの決定かどうか、疑わしい。

 共産党は、民主集中制であり、党内では民主主義的な議論を尽くすことを建前としている。共産党中央本部が一般党員を振り回し、きちんとした決定のプロセスが行われていなかったとすれば、問題となり、志位委員長の交代にもつながりかねない。

 北朝鮮問題での共産党の対応は、票を減らす原因となった。共産党は北朝鮮問題の解決のために対話を訴えているが、実は、日本全国に日本共産党活動家らが幹部をしている日朝協会が存在し、北朝鮮を友人と呼んだりして朝鮮総連と仲良く交流している。これでは、北朝鮮に対して強い態度がとれないはずである。

せめぎ合う左翼運動

 共産党が期待をかけているのが、憲法改正反対運動が青年学生の間で大きな運動となり、共産党陣営に青年党員を多数獲得することである。しかし、青年を狙っているのは極左集団である中核派も革マルも同じである。中核派は総選挙で東京都杉並区に候補者を擁立したが、「高校生のみなさんへ」特集を機関紙「前進」で組み、何人かの現役学生の訴えを掲載している。京都大学では、自衛隊と改憲を問うパネル展や「南スーダンで何が起きたのか―自衛隊の問題点」講演会などが学園祭で行われる。

 革マルは、総がかり市民連合のイベントに大量に若いJRの職員などを動員し、青年分野への影響を強めている。共産党青年部と極左集団が対立し、青年学生運動への批判が起きるのは必至である。

 最後になったが、立憲民主党の枝野代表は、かつての国鉄で革マル系と言われた労組・動労が衣替えしたJR総連の全国大会などで発言してきた人物だ。革マルの影響力が増し、他の左翼団体とのトラブルが予想される。

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