ワシントン・タイムズ・ジャパン
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自衛隊災害派遣に感謝 「進歩的文化人」は嘘つき

首都圏に不要とは愚か

 正確な記憶はないが、確か昭和50年代のこと、在日米軍が使っていた軍事基地の一部を日本に返還してきたことがある。対象は富士山麓の演習場のほか、朝霞や入間や水戸の射爆場跡地など。かつては旧日本軍が拠点としていた土地だけに、立地条件はいずれもいい。自衛隊だけでなく、警察や科学技術庁他からも跡地利用の要請が相次いだ。そこで、国有財産審議会(当時の大蔵省所管)の下に返還財産処理特別委員会が設けられ、前法制局長官や現職の東大教授らお歴々のほか筆者(当時経済論説記者)も加わることになり、返還基地を視察して回った。

 前置きが長くなったが、結論として自衛隊にも使用を割り当てることに委員会がまとまった。まさにその時、いわゆる進歩的文化人に属する人々が、委員会案に対する反対の“のろし”を上げた。いわく「首都圏に自衛隊は要らない」と。「何をばかげたことを」と筆者は痛感した。他の委員諸氏も同じ思いだったに違いない。「まさかどこからかミサイルが…」とまでは考えなかったが、周知の通り日本は大変な災害国家の一つである。例えば大正12年の関東大震災、死者と行方不明者を合計すると約15万人もの犠牲者が出ている。天明3年(1783年)の浅間山噴火の直後には異例の冷害で農作物の出来が悪く大飢饉(ききん)となり、餓死者が続出したとの記録もある。富士山爆発となれば、その程度いかんで首都機能が不全に陥る心配もないとはいえない。そんな非常事態の場合、自衛隊が首都圏の要地にいなければ救援活動も容易には進むまい。「首都圏に自衛隊は不要」とは、全く独善的で愚劣な発想という外ない。


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