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台湾がTPP加入申請、日本食品の禁輸解除がカギか 中国は反発

閣議後の記者会見で環太平洋連携協定(TPP)加入申請について説明する政府高官=23日午前、台北の行政院(時事)

閣議後の記者会見で環太平洋連携協定(TPP)加入申請について説明する政府高官=23日午前、台北の行政院(時事)

 台湾が環太平洋連携協定(TPP)加入を正式に申請した。「長年の準備作業を経た今が最良のタイミングだ」(政府高官)として、参加各国との加入交渉を加速させたい考えだ。事実上の盟主で、加入のカギを握る日本との交渉では、東日本大震災後から続ける福島など5県産食品の禁輸解除が喫緊の課題となる。

 「われわれは全てのルールを受け入れる用意がある。日本の友人たちには、この努力をぜひ支持してほしい」。蔡英文総統は23日、日本語でツイッターに投稿し、日本側にTPP加入への支持を呼び掛けた。

 蔡政権は2016年の発足後、対日外交で最重要課題となってきた福島、茨城、栃木、群馬、千葉の5県産食品の禁輸解除を試みたが、今も実現できていない。根強い偏見が背景にあり、最大野党・国民党が18年に仕掛けた住民投票(国民投票)では、解除に反対の民意が示された。

 ただ、ここにきて米国や欧州連合(EU)が被災地産などの農林水産物や食品に対する輸入規制を解除したり、緩和したりする措置を打ち出している。台湾政府高官は23日、「米国のやり方を参考にしたい」と述べ、「国民の健康確保、科学的根拠、国際ルール」の3原則に基づき、輸入再開を目指す意向を示した。

 台湾に先駆けてTPP加入を申請した中国も、10都県の大部分の食品を禁輸したまま。台湾は何としても中国より先に加入したい考えで、禁輸問題を最優先に解決する必要に迫られている。
(台北時事)

日本の舵取り難しく 対中配慮で各国に相違

 台湾による環太平洋連携協定(TPP)への加入申請に対し、政府は「歓迎」(茂木敏充外相)の立場だ。しかし、16日に申請した中国の反発は必至。TPP参加各国では中台加入に関する姿勢に違いがあり、議長国を務める日本は難しいかじ取りを迫られそうだ。

 訪米中の茂木外相は23日、台湾について「密接な経済関係を有する重要なパートナー」と強調した。日本は、世界的に不足する半導体の製造に強みを持つ台湾との連携強化を探っており、TPP加入を後押しする構え。中国の加入表明時の「高いレべルのルールを満たす用意ができているか見極める」(西村康稔経済再生担当相)という態度とは違いが鮮明だ。

 貿易摩擦を抱えるオーストラリアも中国の加入には慎重とされる。一方、マレーシアなどは前向きだ。交渉入りには全参加国の同意が必要。各国の足並みはそろっておらず、日本政府関係者は「具体的な話は当面進まない」とみる。

 TPPは農林水産品や工業製品の関税減免、国有企業の優遇制限など厳格な自由貿易・経済活動のルールを定めている。台湾は国内法令の制定など加入の準備を進めてきた。一方、中国では「(国有企業の強化など)TPPと逆行する動きがある」(外務省幹部)のが実態だ。
(時事)

茂木敏充外相、台湾の加入申請「歓迎」 米には復帰促す

 茂木敏充外相は23日、米ニューヨークからオンライン形式で記者団の取材に応じ、台湾が環太平洋連携協定(TPP)加入を正式に申請したことについて、「歓迎したい。戦略的観点や国民の理解も踏まえながら対応していきたい」と語った。「TPPは市場アクセスやルールの面で高い内容となっていて、完全に満たす用意ができているか見極める必要がある」との認識を示した。

 茂木氏はこれに先立ち、ブリンケン米国務長官と会談。インド太平洋地域における米国の存在の重要性を指摘し、TPPへの復帰を促した。米英とオーストラリアによる安全保障枠組み「AUKUS(オーカス)」創設を踏まえ、「自由で開かれたインド太平洋」実現に向けた同盟国や同志国の協力を深めることも確認した。

 茂木氏はトラス英外相とも会い、英国のTPP加入交渉について意見交換した。
(時事)

中国「加入に断固反対」

 中国外務省の趙立堅副報道局長は23日の記者会見で、台湾が環太平洋連携協定(TPP)加入を正式に申請したことに対し、「断固反対」を表明した。中国は16日に加入を申請したばかり。

 趙氏は、台湾は中国の不可分の一部であり、「一つの中国」原則が国際社会の共通認識になっていると指摘。「台湾が公的な性質を持つ協定や組織に加入することに断固反対する」と強調した。
(北京時事)

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