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「敵なし!」証明した空手型 喜友名諒

男子形決勝で金メダルを獲得した喜友名諒=6日、日本武道館

男子形決勝で金メダルを獲得した喜友名諒=6日、日本武道館

15歳から積み上げた結晶
沖縄県勢初の五輪金メダリスト

 空手の喜友名諒が、敵なしの世界王者であることを証明した。「道場で稽古をしているそのままの形を、舞台の上で打てたら」。強い思いを、決勝の大一番で存分にぶつけた。

 この時のために磨き上げた形が、得意とする「オーハンダイ」。急所を突くため指を伸ばす貫手(ぬきて)の突き、1歩ごとに2度技を出す「一足二拳(いっそくにけん)の間合い」、敵の技をかわしながら前進するジグザグの動き。実戦的な形を追求する劉衛流の特徴を存分に披露し、日本空手界初の金メダルを手にした。

 「強くなりたい」という一心で、5歳から始めた空手。その道を極めるため、現在も師事する元世界王者の佐久本嗣男氏に弟子入りしたのが15歳の時だった。その際に結んだ「稽古は365日」という約束は、31歳になった今でも忘れていない。

 結果が出なくても、ひたすら続けてきた鍛錬。努力が報われ、大学4年だった2012年に全日本選手権で初優勝した。ここから、快進撃が始まる。14年、16年、18年の世界選手権で3連覇を達成。国際舞台では18年2月に2位になって以降、驚異の13連勝中だった。この日の演武を見た佐久本氏は「満点をあげてもいい」と言い、目尻を下げた。

 世界中の選手たちは喜友名に憧れ、かつては主流ではなかった劉衛流の形をこぞって演武するようになった。喜友名が稽古する道場には、毎年のように海外の有力選手が集まる。前日の女子形決勝で清水希容を破って優勝したサンチェス(スペイン)も、その1人だ。

 出身の沖縄発祥とされる空手が初めて採用された晴れ舞台で、沖縄県勢初の五輪金メダリストにもなった。予選から演武した四つは、いずれも劉衛流の形。「自分の空手を見て、子供たちに大きな夢と希望を与えたい」。その思いを、日本中に届けた。

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