ワシントン・タイムズ・ジャパン

「エネルギー供給 バランスを」中村稔氏が講演

元原子力発電環境整備機構専務理事
中村稔氏が講演

 世界日報の読者でつくる世日クラブ(会長=近藤讓良〈ゆずる〉・近藤プランニングス代表取締役会長)の定期講演会が23日、動画サイト「ユーチューブ」のライブ配信を通じて行われ、元原子力発電環境整備機構専務理事の中村稔氏が「日本のエネルギー安全保障と原子力発電の未来と課題を通じた考察」と題して講演した。

動画サイト「ユーチューブ」の配信で講演する中村稔氏=23日、千葉県市川市のメディアセンター

動画サイト「ユーチューブ」の配信で講演する中村稔氏=23日、千葉県市川市のメディアセンター

 中村氏はまず、1960年代以降の日本の一次エネルギー供給の変遷を紹介。2011年の東日本大震災直前までは10%以上を原子力発電で賄っていたが、震災時の原発事故の後、石油や石炭、天然ガスといった化石燃料への依存が高まり、エネルギーの自給率が下がったと指摘した。

 原子力発電については、使用済み燃料のリサイクルや高レベル放射性廃棄物の最終処分方法を解説し、その通りできれば「地上への影響はゼロと言っていい」と強調。自然界から放射線を浴びる自然被曝(ひばく)やX線などの医療被曝、放射性カリウムを例に、「放射線は少しでも浴びると影響があるわけではなく量の問題だ」と述べた。

 さらに、中国が軍事基地化を進めているアジア地域を、中東から日本へ石油を運ぶ日本のタンカーが無防備で通過していることなどを挙げ、「日本のエネルギーは安全保障問題に突き当たる」と語った。エネルギー政策には安定供給、経済、環境適合の実現が必要だとした上で、「どのエネルギーにも一長一短がある。バランスを取ることが大切だ」と訴えた。

 講演に先立ち、世日クラブの近藤会長は「原子力発電は日本の経済発展に欠かせないものだが、警備の脆弱(ぜいじゃく)性に不満を感じる。気候変動の激しい未来において、自然エネルギーだけに頼るのも危険な選択肢だ」とメッセージを寄せた。

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