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    江崎 孝
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    我那覇 真子
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    星 雅彦
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    松谷 秀夫
    松谷 秀夫
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    仲村 覚
    仲村 覚
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    仲里 嘉彦
    仲里 嘉彦
    万国津梁機構理事長
    西田 健次郎
    西田 健次郎
    OKINAWA政治大学校
    宮城 能彦
    宮城 能彦
    沖縄大学教授

    沖縄県 国際的テロリズムによる多数傷病者にどう対応

    東京五輪を念頭に、沖縄県の救急医療関係者がシンポ

     来年開催される東京五輪を念頭に、国際的なテロリズムにより多数傷病者が発生した場合にどう対応するか――。沖縄県の救急医療関係者がその対策を議論するシンポジウムがこのほど開催された。その中で、未配備ヘリの導入の必要性や米軍絡みとなった場合の負傷者搬送の指揮系統のマニュアル化などを求める意見が出された。(沖縄支局・豊田 剛)

    防災ヘリの早期導入を、米軍と連携へ搬送マニュアル必要

     数多くの島で構成される沖縄県は、地理的条件から航空機搬送の重要度が高い。それにもかかわらず、公的・災害拠点病院にヘリポートが一つもない。消防防災ヘリは全国で75機配備されているが、沖縄には1機も導入されていない厳しい現状がある。

    国際的テロリズムによる多数傷病者にどう対応

    沖縄が抱える救急医療の課題について話し合う消防・病院関係者ら=8月18日、沖縄県浦添市の浦添総合病院(豊田剛撮影)

     沖縄県浦添市の浦添総合病院でこのほど、毎年恒例の「おきなわ救急医療懇話会」が沖縄救急医療研究会と沖縄県救急医療懇話会の共催で開催された。来年夏の五輪開催を念頭に、「テロリズムの脅威―多数傷病者に備える」がテーマとなった。

     登壇者は、消防、警察、ドクターヘリ、ドクターカー、受け入れ医療機関の代表。病院に到着するまでの間、大量の負傷者(多数傷病者)の受け入れ体制の整備、救護・救急診療のあり方について、それぞれの立場から見解を表明した。

     まず、沖縄県知事公室防災危機管理課の石川欣吾課長は、県の対応について説明。沖縄県の消防職員充足率は63%で全国最下位という現状を踏まえ、消防の「県域・ブロック広域化の検討」とともに、沖縄では未配備の消防防災ヘリを「早めに導入したい」考えを明らかにした。

     テロなどの多数傷病者事案が発生した場合について石川氏は、一義的に「県で対応する」が、県内機関で対応できない場合は他府県からの応援を要請し、必要に応じて消防相互応援協定を締結している「米軍にも要請する」と述べた。

     沖縄県警察本部外事課の與儀太一郎課長補佐は、「最近のテロの特徴は多くの人が集まるショッピングモール、空港、駅、イベント会場、教会、ホテルといったソフトターゲットで、個人による“一匹狼型”のテロが増えている」と指摘。その上で、「官民一体となったテロ対策の推進が必要で、関係機関、民間事業者、地域住民との緊密な連携が不可欠だ」と訴えた。

     また、フライトドクターの米盛輝武医師がドクターヘリ、中頭病院の間山泰晃救急科医長がドクターカー、県立南部医療センターの富山修志救命医療センター医長が救急医療に関わる代表の立場で現状と課題を報告した。

     登壇者のほとんどは、米軍基地を抱える沖縄ならではの救急医療の困難さについて指摘。最近、離島で発生した多数傷病者事例や米軍が絡んだ交通事故では、指揮系統がはっきりせず、患者搬送に時間がかかったことが浮き彫りになった。米盛氏は、「全体を統括するシステムが欠如している」という指摘を踏まえ、「県や警察、海保、自衛隊など複数機関が即時に情報を共有するシステムのマニュアル化が必要だ」と強調した。

     パネルディスカッションでは、複数の患者をどのように効率的かつ迅速に搬送するのか明確なガイドラインが必要だという認識で一致した。


    竹島茂人・自衛隊中央病院総合診療科部長の特別講演要旨

    米軍の救命戦術を参考に

    国際的テロリズムによる多数傷病者にどう対応

    竹島茂人・自衛隊中央病院総合診療科部長(豊田剛撮影)

     おきなわ救急医療懇話会では、自衛隊中央病院総合診療科部長の竹島茂人一等陸佐が「テロリズムの脅威と特殊外傷への対応」と題して特別講演した。以下は講演要旨。

     多数傷病者のケアには、米軍による戦術的第一線救護(TCCC)が最も参考になる。TCCCは、戦闘による死者の約9割が治療施設に到着する前に命を落としていることを教訓にした救急医療方法だ。危険の大きい所では迅速に、安全な場所では時間をかけて確実に処置する。

     死者の多くは大動脈の損傷によって起こる大量出血が原因で助けが来る前に亡くなってしまう。大腿動静脈が切断されたら3分で死亡する。国内でも、軍隊用だったタニケット(止血帯)の民間活用が期待される。

     2013年に発生した米国ボストンマラソンのテロで3人が即死し、82人が負傷した。死者が少なくて済んだのは常日頃、救命訓練をしていた成果だ。テロ発生から19分で1人目の患者が搬送された際には、まず現場で止血した。

     その一方で、死者が12人出た秋葉原の無差別殺傷事件(2008年)では、搬送までの時間が短い人で36分、平均で47分だった。

     世界的にテロは増えていて、アジアでも増加傾向にある。日本の今のシステムでは救命士がテロ現場に駆け付けるまで30分はかかる。負傷者の救命と救助者の安全を天秤(てんびん)にかけなければならない現状がある。この時点でテロリストの罠にかかっている。

     イスラエルには、テロなどが発生した際の救急現場に居合わせた「バイスタンダー」がテロの犠牲者を減らしているというデータがある。アクティブなバイスタンダーを増やす必要があるというのは合理的な考えだ。

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